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街の小ネタ byチャリンコ営業マン

ムラタセイサク君、登場!!

「理科はすきですか?」伊丹小学校、理科の特別授業です。

2009/01/23

みなさん、こんにちは。チャリンコ公務員Nです。

突然ですが、皆さん理科は好きですか?

私自身は、高校前半までは好きだったんですが、その頃雲行きが怪しくなり、ごにょごにょして大学行って、就職して、いくつかの仕事をしているうちに、今では「理系?文系?」と聞かれると「似非理系で、似非文系です」という答えをするようになっています。どっちも中途半端でして。。。

さて「子どもの理科離れ」なんてフレーズも聞かれる昨今ではありますが、今回は1月15日に開催された伊丹小学校の5年を対象の理科の特別授業の様子をレポートします。

その授業の内容は。。。

あの「村田製作所」のムラタセイサク君の開発エンジニアから、技術者の仕事の話や、セイサク君の仕組みを聞いて、もちろんセイサク君を真近に見ることができるというものです!

ムラタセイサク君、立つ!
ムラタセイサク君、立つ!
これがムラタセイサク君です。自転車乗りです。白いボディーが格好いいです。

自由自在に自転車をこぐことができます。バックもできます。さらに、足をつかずに自転車で止まり続けることができます。

すごいでしょ。あり得ないでしょ。

これ、幅2センチの平均台の上でバランスを取っている状態なんです。おなかのところが扇風機のようになっています。この円盤が、ジャイロセンサーというもので測定した値にもとづいて回転することでバランスを取るんだそうです。

説明を聞けば、それだけなんですが、もちろんそれを実現する技術・ノウハウは、すごいものです。理屈も難しいらしく「大学で勉強したらわかるようになるくらい難しいです」と開発者の方はにっこり説明されていました。

5年生、夢中になって聞いています。
5年生、夢中になって聞いています。

講師は実際に村田製作所でムラタセイサク君の開発に携わった技術者の方です。村田製作所のWebページのどこかに写真も載ってますので、伊丹小学校5年生のみなさん、探してみて下さいね。

5年生全員が体育館に集まって、パワーポイントのスライドを見ながら説明が始まりました。最初は、何が起こるんだろう、という様子見の雰囲気でしたが、だんだん子どもが話やスライドに引き込まれていくのが感じられました。

平均台走行の開発風景
平均台走行の開発風景
プレゼンテーションの中では、動画も使われていました。左の写真はその一コマです。
セイサク君が自転車を操縦できるようになるまでには、長い道のり(開発工程)があったということ、それから、一つ新しいことが実現すると、開発にかかわる技術者の方が声をあげ、喜んでいる、そういった技術開発の面白さを伝えるためのプレゼンテーションでした。
ぼく自身も、その昔(遠い昔)いくつかの開発事業にもかかわりましたので、はい、その気持ち、分かります。
何かできたら、声を上げたり、ガッツポーズをしたくなるものなんです(しみじみ)。

もちろん、失敗したときも、別の声を上げてしまいます。実際セイサク君がころんでしまうところでは、技術者さんのそんな声が聞こえてきました。。。

さあ、プレゼンテーションが終わったら、いよいよお楽しみ!!走るムラタセイサク君の実演です!!
その姿に子どもたちから「おおーー!!」「すごい!」と言った歓声が上がります。

右下の写真は平均台の上を走るセイサク君なのですが、分かりますでしょうか、顔が下を向いています。
これは目の位置のセンサーで平均台の場所を確認し、全身を調整しているのです!!
平面を走るムラタセイサク君
平面を走るムラタセイサク君
2センチ幅の平均台を走るムラタセイサク君!!
2センチ幅の平均台を走るムラタセイサク君!!
ラッキーな5年生です。
ラッキーな5年生です。
こちらの写真は特別プレゼントの様子。特別に、セイサク君を「魔法の杖」で操作してみよう!というコーナーの様子です。ラッキーな2人が、いろんな部品のつまった「魔法の杖」を使ってセイサク君を操作させてもらいました。
部品を見せてもらいました
部品を見せてもらいました

また、セイサク君の背中を開けて中を見せてもらいました。
みんなここぞとばかりに見つめています。

村田製作所さんという会社は、必ずしもロボットを作っている会社ではありません。そのロボットや、デジカメ、電化製品、などなどの中で使われるいろんな部品を作る会社なのです。
プレゼンテーションでは5年生にも分かる例えで「シャーペンの芯よりも細くて小さい部品も作っています」なんて説明されていました。

例えばセイサク君が止まるために使うジャイロセンサーは、デジカメの「手ぶれ防止機能」なんかに使われているそうです。

でも「部品を作る」ということを、説明するのは難しい。ならば、その部品を集めたらどんなことができるか、ということで「部品を作る」ということを表現するために作られたのが、このムラタセイサク君なのです。


セイコちゃん、立つ!!
セイコちゃん、立つ!!
そしてもう一つの特別プレゼントがありました!
伊丹ではもちろん、兵庫県でも初!ムラタセイコちゃんの登場です!!
セイコちゃんは、2008年9月23日に誕生したばかりの新しいロボットです。セイサク君のいとこで、なんと一輪車に乗っちゃいます。一輪車でバランスを取って静止します。
「かわいい!」と声が上がっていました。
セイサク君とセイコちゃん
セイサク君とセイコちゃん
セイコちゃんのポーズはセイサク君を追いかけてるイメージだそうです
セイコちゃんのポーズはセイサク君を追いかけてるイメージだそうです

最後は質問コーナーです。子ども達はいろんなことが聞きたかったようで何度も手があがっていました。その中からいくつか。

Q. セイサク君は何人いるんですか?

A. 11人います。みんなで色んなところに行っていて、今2人がアメリカに行っています。

「アメリカ」に行っていると聞いてみんながどよめきました(笑)。

Q. セイコちゃんはスカートが大きくてバランスを取ったり大変じゃないんですか?

A. 大変です(笑)。セイサク君は背中のバッグのようなところに部品が集まっていますが、セイコちゃんは実は、このスカートの中に部品が詰まっています。このような形で、一輪車で、止まる、動く、というのがセイコちゃんを作る上でのポイントでした。

Q. 作るのにどれくらい時間がかかったんですか?

A. 開発は6ヶ月です。意外と短いでしょ?

終わっても人だかり
終わっても人だかり
質問コーナーが終わり、代表の生徒が感謝の挨拶をして、みんなで挨拶をして今回の授業は終了しました。

終わっても移動の前に、子ども達がセイサク君、セイコちゃんに集まってきました。

「触らないでねえ」と、先生はちょっと困った様子。

生徒の質問に「これはね、売らないんだ。1億円でも売らない」と答えていました。きっと、それは仕事云々の話ではなくて、かわいさ、愛情ゆえの答えだったんでしょうね。

その昔、ぼくがまだ理科が好きだった頃(苦笑)、まだこんなロボットは漫画の世界だったと思います。ぼくが初めて触ったパソコンは、今の携帯電話より貧弱でした。

その意味では、いきなりこんなすごいものを間近で見てしまう、今の子どもというのは、ある意味大変だなあ、と思います。だって、ロボットが学校に来てしまうんですからね。

でも、子ども達はそんなことに臆することなく(当然ですね)、楽しそうに話を聞いて、ロボットを見つめていました。多分、その昔のぼくがここにいたら、きっと同じだったんだろう、と思います。大人の余計な心配をあっさり通り越して、子どもは色んなものを吸収していくんだよなあ、と思いました。

これがきっかけになって、将来のエンジニアが伊丹から生まれてくれれば、と思います。

村田製作所の講師の方、伊丹小学校の先生方、ありがとうございました。