男と女の「おかしな!?」ハナシ
あなたの身の回りにも時々起こる、
「これってどうなの?」
「おかしくない?」という話。
このコーナーでは、毎回、
「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。
PTA役員よもやまばなし
今日のつぶやき主はカズユキさん。
同じ職場のノリコさん、イズミさんに聞いた
PTAの話に興味を引かれたようです。
ノリコ:新学期、またPTA役員決めがあるかと思うと気が重いわよね
カズユキ:え、そんなにPTA役員決めって大変なんですか?
ノリコ:仕事や介護がどんなに大変でも、当たったら役員をしないといけないし。
特別の事情で免除して欲しい時は、
みんなの前で内情を言わされて、免除かどうかの多数決を取られるの。
なんだかさらしものみたいでね・・・。
カズユキ:うわっ、人権問題になりそうだなぁ。
それに、ノリコさんは営業だから会議や客先との打合せが多くて
そうそう休めないですよね。
イズミ:私なんかパートで働いてるから、休むとその分お給料減るのよね。
うちは夫がいないから、それでなくても生活苦しいのに。
カズユキ:え、母子家庭でも免除は無しですか?
イズミ:そうよ。父子家庭は免除があるのに。
私から見ると、男性の方が正社員で身分も収入も安定している人が多いのにな。
母子家庭友達は「PTAなんかで仕事を休むなんて」って、上司にいやみ言われたって。
契約更新してもらえなかったら、生活できないから立場が弱いのよね。
ノリコ:どうして女性だけ、こんな思いをしなきゃいけないのかなぁ。
「女性がして当然」は、やめて欲しいのよね。
カズユキ:ぼく、みんなで何かをすることやイベントを企画することが好きだから、
PTAの仕事ってちょっと興味ありますよ。
会社休んではそうそう無理だけど、
保護者向け講座や夏祭りの企画運営する人を募ってくれたら、
よろこんで参加したいなぁ。
ノリコ:嫌がる人や無理な人を逃がさない方法を極めるんじゃなくて
こういう「やってもいいかも~」って人を発掘したり、
やる気を引き出す方法を考える方向にいくといいのにね。
◆イズミのつぶやき・・・
そういえばNHKのPTA特集番組で聞いたけど、「役員をしない人がいるのは不公平だ」と言われることがあるけど、「本来PTAはボランティア。つまり自発的に社会貢献活動をする人の集まりだから、公平である必要はないし、強制的にさせるのはおかしい」んだって。
自発的に「やってみようかな」と思う人をどうやって増やすかがポイントよね。
◆ノリコのつぶやき・・・
去年の役員決めの時に選考委員さんに
「もし夫さんがPTA役員当たったらできます?」って聞いたら
「PTAで仕事を休めるわけがないじゃない」って言われたのよね。
なのに、女性は仕事を休んであたりまえ?なんでかしら。
休みやすいかどうかは、男性か女性かじゃなくて、仕事環境によると思うんだけど。
◆カズユキのつぶやき・・・
PTAは女性がなるものってなんとなく思ってたけど
そう決まってるわけでもないんだな。
いろんな人の話を聞いてると、PTAって効率の悪い仕事もありそうだから
仕事内容を整理したらかなり負担が減るかも。
それに、仕事ごとにボランティア募集みたいな方法にしたら、意外とやりたい保護者が集まると思うな。
俺みたいなやつが(笑)。
【ミニ知識】
保護者の誰もが参加しやすく、また参加したくなるようなPTA
2014年3月放送のNHK「深読み」によると、
(1)PTA役員をして「つらかった人」は、「やってよかった人」の2倍もいる。
(2)PTAの目的が「子どもの幸せな成長」なのを広義にとらえて、役所や地域がいろいろ仕事を持ってきたため、PTAの仕事は初期に比べてとても膨らんだ。
対して、共働きの増加や少子化で動ける保護者は減っている。大胆な仕事量の見直しをかけるべき時が来ている。
東京都の嶺町小学校PTAは、「保護者と先生による学校応援団」と名打って、保護者が参加しやすく、また参加したくなるような組織を目指して改革プランを進めており、組織改革の経緯をHPで公開している。
http://blog.goo.ne.jp/minemati-pta
横からちょっと言わせて
専業主婦もパートも経験した
関西学院大学人間福祉学部教授
今井小の実さん
日本のPTAの制度は戦後、日本の民主化を推進する政策の一環として、GHQ により導入されました。
戦前の学校教育が軍国主義と結びつき、教え子を戦場に送り出してしまったことは先生たちにとっても辛く忘れがたい記憶だったに違いありません。
政治と距離を置いたところに立ち、民主的な教育を行っていくためには親や保護者たちとの協同は重要だったのです。
そして今でもそれは大切なことに変わりありません。
けれどもPTAの起源がアメリカの上流階級の女性たちの運動にあったことが物語っているように、それは女性の社会進出が制限されていた時代の、いわば女性たちの社会参加のための手段でもあったのです。
そのためその活動が、ノリコさんやイズミさんのような仕事を持つ女性たちには大きな負担になってきているのも当然だともいえましょう。
女性も働くことが当たり前の社会になったこんにち、東京都の嶺町小学校PTAのような取り組みがもっと広がっていくことが期待されます。
ただ奇妙なことに小学校中学校ではあまり見かけないのに、高等学校のレベルになると会長は男性というケースがよくあります。
PTA会長から議員に立候補し、政治家に転身した人の話も聞きます。
政治と一線を画し、民主教育を推進するために導入されたはずの制度が逆に政界への足場として利用されているのです。
そしてそれには男性が多いという現実は、社会進出に制限的なジェンダー規範の克服にも寄与してきたはずのPTAが、逆にジェンダー問題を助長するという皮肉も招いていることを示しています。
私たちは、PTAの本来の目的である民主教育の推進と、その潜在的な可能性であったジェンダー問題の克服、双方の視点を忘れることなく、時代にあった在り方を考えていく必要があるのではないでしょうか。
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