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伊丹市まちづくり基本条例(条文)

前文

地方分権の一層の推進によって訪れる新たな時代,地方主権時代にふさわしい都市の豊かな個性や魅力を創出するとともに,すべての市民が伊丹のまちに住むことを誇りとし,いきいきと活動でき,生きる喜びを共に感じられる成熟都市を創造していかなければなりません。

その基盤は,自治の主権者である市民一人ひとりが市政に関心を持ち,自らの意思によってまちづくりに参加する,あるいは,自らがまちづくりの担い手となって活動するという,自主・自律の精神によってつくり上げる市民自治にあります。

市民も市も,これまでのまちづくりに対する意識を改革し,まちづくりの機軸を行政主導から市民の参画と協働へと大きく転換していかなければなりません。

この市民の参画と協働のまちづくりを進めるためには,市民も市も,異なる立場や考え方をお互い理解し合いながら,対話を重ね,合意に向けて努力を積み重ねるという熟議を行うことが重要です。

この熟議を基本に,先人が永年培ってきた歴史,文化,風土や良好なコミュニティを土台として,市民と市が,パートナーシップを確立し,適切に役割と責任を分担し,補完し合い,協力して,まちづくりに積極的に取り組むことが大切です。

こうした市民の参画と協働によるまちづくりを推進し,力強い市民自治を実現するために,この条例を制定します。

(目的)

第1条  この条例は,市民の参画と協働によるまちづくりに関する基本的な事項を定めることにより,自治の主権者である市民の主体的なまちづくりを推進し,地方自治の本旨に基づく市民自治の実現を図ることを目的とする。

(基本理念)

第2条  まちづくりは,市民が自らの意思によって参画し,市民と市が相互の信頼関係に基づいて,それぞれ果たすべき役割と責任を分担し,補完し合い,協力して進めなければならない。

2 市民と市は,対等なパートナーとして,まちづくりに取り組むものとする。

3 市は,その保有する情報を市民と共有しなければならない。

4 市民と市,市民相互は,参画と協働によるまちづくりの推進にあたり,熟議(異なる立場や考え方をお互い理解し合いながら,対話を重ね,合意に向けて努力を積み重ねることをいう。以下同じ。)を基本とする。

(市民の権利)

第3条  市民は,等しくまちづくりにかかわる権利を有する。

(市民の責務)

第4条  市民は,第2条の基本理念にのっとり,自主的かつ自律的な意思に基づいて,積極的にまちづくりに参画し,又は自らがまちづくりの主体となって活動するとともに,市と協働するよう努めなければならない。

2 市民は,お互いを尊重し,支え合いながら,熟議によりまちづくりの推進に努めなければならない。

3 市民は,それぞれのまちづくり活動の情報を交換することによって,お互いに連携してその活動を推進するよう努めなければならない。

(議会の役割及び責務)

第5条  議会は,第2条の基本理念にのっとり,市民を代表する意思決定機関として,公正性及び透明性を確保しつつ,その権限を行使しなければならない。

2 議会は,市民の意見が市政に適切に反映されているかどうか及び行政が適正に執行されているかどうかについて監視し,評価しなければならない。

3 議会は,市政を調査し,その結果を踏まえて条例を制定するなど,政策形成機能の強化を図らなければならない。

4 議会は,議会運営に関して積極的に市民に情報を公開するとともに,意思決定の過程を明らかにし,市民への説明責任を果たすなど,開かれた議会運営に努めなければならない。

(議員の役割及び責務)

第6条  議員は,市民の代表者としてその負託に応え,公正かつ誠実に職務を遂行するとともに,市民全体のために行動しなければならない。

2 議員は,自らの責任を認識し,高い倫理観を保持し,研さんに努め,行政監視及び政策立案のための能力の向上に努めなければならない。

(市長の役割及び責務)

第7条  市長は,第2条の基本理念にのっとり,市民の市政への参画の機会を確保し,市民と協働して,まちづくりを推進するよう努めなければならない。

2 市長は,市民の代表者としてその負託に応え,公正かつ誠実に職務を遂行するとともに,市民全体のために市政を運営しなければならない。

3 市長は,市政について市民に説明する責任を果たすよう努めなければならない。

4 市長は,市民にとって分かりやすい組織及び市民ニーズに的確に対応できる体制を整備するとともに,職員の資質の向上に努めなければならない。

(市の職員の役割及び責務)

第8条  市の職員は,公共サービスの提供に従事する者として,第2条の基本理念にのっとり,公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

2 市の職員は,効率的に職務に取り組まなければならない。

3 市の職員は,職務の遂行に必要な知識及び技能の向上に努めなければならない。

(情報の共有)

第9条  市は,市民の知る権利を尊重しなければならない。

2 市は,その保有する情報を市民と共有するため,市民に分かりやすくその情報を提供するとともに,市民が迅速かつ容易に情報を得られるよう多様な媒体の活用その他総合的な情報提供の体制整備に努めるものとする。

3 審議会等は,市民に会議を原則として公開するよう努めるものとする。

4 市は,個人の権利及び利益が侵害されることのないように,個人情報の収集,利用,提供,管理等について,必要な措置を講じなければならない。

(コミュニティ)

第10条  市民は,まちづくりの土台であるコミュニティを守り,育てるよう努めるものとする。

2 市民は,安心して心豊かに暮らすことができるよう,自主的にコミュニティ活動に取り組むよう努めるものとする。

(地域自治組織)

第10条の2  市民は,市民による主体的なまちづくりの推進を図るため,概ね小学校の通学区域を単 位として,当該区域内の住民をはじめとする多様な主体で構成される地域自治組織を設立するこ とができる。

2 市は,地域自治組織の設立及び運営について,必要な支援を行うものとする。

3 市長は,地域自治組織を,一地域につき一団体に限り,認定することができる。

4 前項の認定を受けた地域自治組織は,構成員の参画を保障するとともに,民主的で透明性のある運営を行うものとする。

5 地域自治組織に関し必要な事項は,別に条例で定める。

(対話の場の設置)

第11条  市は,まちづくりの課題について市民の意見を求める必要があると認めるときは,市民相互又は市民と市による対話の場を設置することができる。

2 市民及び市は,前項による対話を行うときは,異なる立場や考え方を互いに理解し合うよう努めるものとする。

3 市民がまちづくりに関する情報を交換し,又はまちづくりの課題について熟議を行うために対話の場を設置する場合において,市民からの申出があるときは,市は,その運営に必要な技術的支援を行うことができる。

(市民意見表明制度の実施)

第12条  市は,基本的な政策等を策定するときは,事前に案を公表し,市民の意見を求めるものとする。

2 市は,前項の規定により提出された意見に対する市の考え方を公表するものとする。

(総合計画の策定)

第12条の2  市は,目指すべき市の将来像及びまちづくりの目標を定めるとともに,それらを実現するための方法や手段を総合的かつ体系的に明らかにするため,総合計画を定めるものとする。

2 総合計画は,行政運営の基本的な方針を定める基本構想,その実現に向けた分野別の取組を定める基本計画及び具体的な事業を定める実施計画により構成する。

3 市長は,総合計画のうち,基本構想及び基本計画を定めようとするときは,議会の議決を得るものとする。

4 総合計画は,市民の参画により定めるものとする。
 

(行政評価の実施)

第13条  市は,効率的かつ効果的に市政運営を行うとともに市政に関して市民に説明責任を果たすため,その実施し,又は実施しようとする施策及び事務事業の評価を行うものとする。

2 市は,前項の評価の結果について,市民に分かりやすく公表するとともに,市民が意見を述べる機会を設けるよう努めるものとする。

3 市は,第1項の評価の結果を,施策及び事務事業の見直しに活用するものとする。

(審議会等の委員)

第14条  市長その他の執行機関は,その所管する審議会等の委員の構成に市民を積極的に加えるよう努めなければならない。

2 前項の規定により市民を審議会等の構成員にしたときは,当該市民委員については公募により選任するよう努めるものとする。

3 市長その他の執行機関は,市民が審議会等へ積極的に参画できるよう配慮しなければならない。

(学習の機会の提供その他の支援)

第15条  市は,市民がまちづくりに関し理解を深めるために必要な学習の機会を設けるよう努めるものとする。

2 前項に掲げるもののほか,市は,市民のまちづくり活動を促進するため必要な助成その他の支援を行うよう努めるものとする。

(市民投票の実施)

第16条  市長は,広く市民の意思を直接問う必要があると認めるときは,市民投票を実施することができる。

2 前項の市民投票の実施に関し,投票に付すべき事項,投票資格者,投票の期日,投票の方法,投票結果の公表その他必要な手続については,その都度条例で定める。

(国,他の地方公共団体及び関係機関との連携)

第17条  市は,共通する課題又は広域的課題を解決するため,国,他の地方公共団体及び関係機関と対等な立場で連携し,協力するよう努めるものとする。

(伊丹市参画協働推進委員会)

第18条  市に,伊丹市参画協働推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は,市長の諮問に応じ,次に掲げる事項を調査審議するとともに,市長に対し意見を述べることができる。

(1) 市民の参画と協働の推進に関する施策の実施状況及び成果に関すること。

(2) この条例の見直しその他市民の参画と協働によるまちづくりに関する重要事項

3 委員会は,委員10人以内で組織する。

4 委員は,次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 市民

(2) 関係団体を代表する者

(3) 学識経験者

5 委員の任期は,2年とする。ただし,補欠委員の任期は,前任者の残任期間とする。

6 委員は,再任されることができる。

7 委員会に,特別の事項を調査審議させるため必要があるときは,臨時委員を置くことができる。

8 臨時委員は,市長が委嘱する。

9 臨時委員は,当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは,解任されるものとする。

10 前各項に定めるもののほか,委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則で定める。

(この条例の位置付け)

第19条  この条例は,まちづくりの基本原則であり,市は,他の条例,規則等を定める場合においては,この条例に定める事項を最大限に尊重しなければならない。

付則

(施行期日)

1 この条例は,平成15年10月1日から施行する。

(見直し)

2 市は,この条例の施行の日から4年以内ごとに,市民の参画と協働によるまちづくりの推進状況について検討を加え,その結果に基づいて,見直しを行うものとする。
           付則(平成25年9月27日条例第34号)

この条例は,平成25年11月1日から施行する。

           付則(平成27年3月27日条例第15号)

この条例は,平成27年4月1日から施行する。

           付則(平成28年3月28日条例第10号)

この条例は,平成28年4月1日から施行する。

           付則(平成30年3月28日条例第8号抄)

(施行期日)

1 この条例は,平成30年6月1日から施行する。(後略)

           付則(平成30年3月28日条例第12号)

この条例は,平成30年4月1日から施行する。