男と女の「おかしな!?」ハナシ
あなたの身の回りにも時々起こる、
「これってどうなの?」
「おかしくない?」という話。
このコーナーでは、毎回、
「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。
「女性ならでは」の?
今回のつぶやき主はマサコさん。
夫ヒロシと娘ランの家族3人でマサコさんの車を買いにやってきました。
マサコ :この車、室内も広いし、便利な機能がいっぱいあって、すっごくいいわ~!
販売員 :そうでございましょう!
実はこの車の室内設計担当チームが全員女性なんですよ。
「女性ならでは」の視点が随所に活かされて、女性のお客様に大好評なんです。
マサコ :なるほどね~、今までの車とは日常生活での使いやすさが全然違うと思うわ。
やっぱり、普段から買い物や子育てに車を使っている女の人が考えるって大事ねぇ。
ヒロシ :オレが車に求めるのは走りの良さとカッコ良さが一番だけどね(苦笑)。
「女性ならでは」の視点なんて言われると、お手上げだよ。
ラン :エヘヘッ。
実は私が会社で開発に関わった新製品のカメラも女性に大人気で、
発売と同時に売り切れ続出なんだよ。
やっぱり“コンパクトでデザインも可愛い”っていう
「女性ならでは」の感性が、同じ女性にウケたみたい。
女子社員:お客さま、あちらのテーブルにお飲み物をご用意させていただきましたので、
どうぞ・・・・では失礼いたします。(立ち去る)
ヒロシ :おいおい、今の人すっごく美人だったなぁ~。
ラン :ホ~ント、メッチャ感じも良くってステキだったわ。
販売員 :ウチの社員を褒めるのも何ですが、彼女は社内でも評判でね。
それこそお客さまのおっしゃる「女性ならでは」の気配りや優しさも
最高なんですよ。
マサコ&ラン:ん?「女性ならでは」の気配り?優しさ・・・??
◆マサコのつぶやき
今日の車を見て「やっぱり女の人が考えた物はいいわ~!」って思ったけれど、よく考えたら、女性だけが買い物をしたり育児をするわけじゃないわよね。
基本的に女の人しか使わない下着とかなら「女性ならでは」の視点っていうのは有りだけど、今日の車のような場合は、正確に言うなら「使う人」の視点よね。
◆ヒロシのつぶやき
この前、会社で災害備蓄品について話していて「介護用紙オムツはトイレが使えない時に役に立つ」とか、「会社に履いてきたパンプスでは帰宅できないから運動靴も用意しておく」なんて女性社員に言われて、まさに「目からウロコ」。
やっぱり「女性ならでは」の視点にはかなわないなぁ。
あれ?だけど「男性ならでは」の視点って言葉は、あまり聞かないなぁ。
何でだろう?
◆ランのつぶやき
私のカメラが評価されたのは嬉しいけれど、「女の子の好きなカワイイ色」と「女性でも持ちやすいコンパクトなサイズ」で売れたってことは、やっぱり女性と男性って感性が違うんだろうなぁ。
だけど、今日の販売員が「女性ならではの気配りとか優しさ」なんて言っていたのは、おかしいわ。
男性だって優しくて気配りできる人がいいに決まってるじゃん。
◆販売員のつぶやき
今日の奥さんと娘さん、最後にちょっと顔をしかめていたけれど、オレ、何か悪いこと言ったかなぁ?
【ミニ知識】
~防災に男女共同参画の視点を!~
平成25年5月、内閣府から「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」が発表されました。
概要によると、その背景として、東日本大震災において、衛生用品等の生活必需品が不足したり、授乳や着替えをするための場所がなかったり、「女性だから」ということで当然のように食事準備や清掃等を割り振られた避難所も見られたことなどがあり、平常時から、男女共同参画の視点からの災害対応について、関係者が理解しておくことが重要だということが言われています。
家庭や地域における災害時の対応も、そうした視点で一度、見直してみることも大事かもしれません。
横からちょっと言わせて
専業主婦もパートも経験した
関西学院大学人間福祉学部教授
今井小の実さん
近頃見かけることの多くなった駅構内の店舗。
乗り換えの合間に食事をしたりお土産を買ったり、夕食の買物だって済ませることができます。
ATM、衣服、薬、最近では美容院まで登場しました。
忙しい人たち、特に仕事を持つ女性にとっては、救世主的な存在です。
そして最初にこのアイデアを出したのも女性だったと聞きました。
まさに「女性ならでは」の視点です。
近年、このような「女性ならでは」の視点を発揮した企画、商品開発が進んでいますが、それは女性の社会進出が進んだ証拠でもあります。
でも裏を返せば、これまでの社会がいかに男性中心の文化で創られていたのかということの裏付けでもあります。
だから、その成果は女性たちには特に素直に受け容れられ、「よくぞ気付いてくれました」的なありがたいものが多いのです。
けれども「ならでは」という言葉、そこに込められた期待は、もしそれが裏切られれば、「のくせに」「なのに」という言葉に容易に変わってしまいます。
コインに裏表があるように、物事には二面性があります。
そのどちらの側に立つかで評価は変わってくるのです。
ポジティブな面は評価できても、それが条件や結果次第でネガティブな面に変わるというのは、「オハナシ」のなかの販売員さんのコメントでもわかりますよね。
私たちはそこのところをよく注意して、「ならでは」の行方を見守っていく必要があると思います。
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