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はじめに

いま、同和行政(教育・啓発を含む。以下同じ)が大きな転換点にさしかかっている。その理由はいくつかあるが、まず1969(昭和44)年7月施行の同和対策事業特別措置法(以下「同対法」)に始まる特別対策としての同和対策事業(以下「同和対策事業」が2002(平成14)年3月末で終了期限を迎えることである。次に、これまでの同和対策事業によって「対象地域」の生活や住環境等の改善に一定の成果がみられるが、その内実には、さまざまな問題を内包していることが明らかになってきたためである。そして、国際社会において、さまざまな「差別と人権」に関する問題がクローズアップされ、わが国においても各種の取り組みが行われるようになってきたためである。特に、1996(平成8)年5月の地域改善対策協議会意見具申(以下「地対協意見具申」)以降、「人権」を基軸においた人権擁護(救済)、人権教育・啓発に関する各種の答申、法律が出されるようになってきている。

このような客観的な情勢に対して、「今後の同和行政のあり方」をどのように捉え方向づけていけばよいのか。このことが、今日における同和行政の喫緊の課題である。

伊丹市にあっては、1996年11月、伊丹市同和対策協議会(以下「本協議会」)に対して「伊丹市における今後の同和行政のあり方について」の意見を提言するよう求めた。その後、本協議会では、1990(平成2)年9月の伊丹市同和対策審議会答申について2回の協議を行い、「同答申は、法期限以後をも含み、大体において妥当であり、本協議会としては、その具体的事業の実施に当たって必ずしも具体化されていなかった部分の補足的施策を提言する」こととした。

併せて、審議にあたって、事務当局から、対象地域の現状等を示す行政資料が提出されたが、当該資料のみで各般に及ぶ対象地域の実態を把握することは困難であると判断し、「部落差別の実態等を把握するための調査」(以下「調査」)を実施することにした。この調査には、本協議会が自らあたることとし、約1年の準備期間を経て、1998(平成10)年6月から、本格的な調査を開始した。

調査方法は、従来からよく行われている調査票に基づくものではなく、主に聞き取りと行政内部の既存資料、各種調査等を整理するという方法を採用した。調査を実施するなかで、当初設計した調査対象者数をほぼ倍増させ、その整理と分析等に時間を要するなど、調査の終了が予定より1年遅れることになったが、2000(平成12)年3月に、調査結果を400頁近い報告書としてまとめたところである。

調査結果の主な内容については、別途触れることとするが、その結果に基づいて提言内容を精力的に審議するため、本協議会では、2000年12月、提言作成小委員会(以下「小委員会」)を設置した。小委員会においては、6回にわたって審議を重ね、その結論をみたため、本協議会の全体会に諮って、これを「提言」としたものである。

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