江戸時代,酒造りで栄えた伊丹郷町の氏神野宮(ののみや。現猪名野神社)の祭礼のうち,神輿(しんよ・みこし)の巡行は,町をあげての一大ページェントでした。この神幸絵巻3巻には,元禄16年(1703)から明治31年(1898)までの行列の変遷がくわしく描かれています。
平成3年に伊丹市の有形文化財に指定されました。
野宮(現猪名野神社)の祭礼は元禄15年(1702年)に俳人上島鬼貫(おにつら)の一族,上島青人(あおんど)が神輿を奉納してから盛んになり,翌年から神輿が猪名寺村(現尼崎市)の御旅所まで巡行するようになりました。
3巻の絵巻のうち第1巻「摂津猪名野宮祭礼新古図絵」は,郷土史家古野将盈(まさみつ)が考証し,志摩国の画家九皐(きゅうこう)に依頼して描かせたもので,元禄16年・宝永2年(1705年)・同3年および安永元年(1772)以後と推定できる行列の模様が収録されています。
第2巻「祭礼神輿渡御(とぎょ)略図」は一田英泉が描いた明和9年(安永元年)の行列のようす,第3巻「猪名野神社御神幸行列絵巻」は玉手孟(はじめ。号眉山)が描いた明治31年の行列のようすです。
以上の3巻により,約200年間の祭礼行列が年々盛んになっていくようすや,伊丹郷町内の町村別や役職・職業による役割分担のありさまを知ることができます。
伊丹市宮ノ前2-5-20 市立伊丹ミュージアム(猪名野神社より寄託)
注意:展示中かどうかは市立伊丹ミュージアムにおたずねください。
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