江戸時代、伊丹郷町の大半は近衞家領であり、酒造家等から選ばれた惣宿老たちが近衞家の指示を仰ぎながら伊丹町政を運営する「会所」がありました。この会所は、寛文元年(1661)に近衞家が領主となって間もなく建てられてたものと考えられています。
会所関係資料で指定されているものは、合印(ごういん)文軒丸瓦(12点)、唐草文軒平瓦(1点)、棟端(むねはし)飾板(13点)、道具瓦(7点)、桟瓦(1点)、表門桁覆い金具(4点)、用水桶(2点)で、会所に使われた瓦・調度品などです。
このうち、棟端飾板の一部・軒丸瓦・表門桁覆い金具・用水桶には、近衞家紋の合印文が記されています。この合印文は、伊丹市が昭和15年(1940)に市制をしくにあたり、近衞家の許しを得て、市章としたものです。
このような特注の瓦・金具が会所に使われていたことから、伊丹郷町の酒造家の財力がいかに莫大であったかがうかがえます。
会所はその後伊丹町役場、伊丹市役所(昭和15年以降)として使用され、市民に親しまれてきましたが、昭和29年の庁舎火災で類焼し、その姿は消しました。
昭和63年に伊丹市の有形文化財に指定されました。
伊丹市宮ノ前2-5-20 市立伊丹ミュージアム
注意:展示中かどうかは市立伊丹ミュージアムにおたずねください。
日本遺産『「伊丹諸白」と「灘の生一本」下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷』
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