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令和6年度市内通所介護事業所・伊丹小学校・南児童くらぶ

1.視察出張委員
 委員長   鈴木久美子      副委員長   岸田真佐人
 委    員   戸田   龍起      委        員  篠原   光宏
     〃       高橋   あこ           〃        花田康次郎
     〃       加柴   扶美           〃        前田伸一郎
     〃       森   華奈子
2.視 察 先 (1)市内通所介護事業所
                         ・オアシス千歳デイサービスセンター
                         ・デイサービス はつらつ空間 ゆずりは
                    (2)市内小学校
                         ・伊丹市立伊丹小学校
                    (3)市内児童くらぶ
                         ・伊丹市立南児童くらぶ
3.視 察 日 令和6年7月2日(火曜日)
4.調査事項 下記報告のとおり

◎7月2日(火曜日) 13:30~ オアシス千歳デイサービスセンター

<施設運営等について>

   初めに、施設長からの歓迎のあいさつ及び施設の説明を受けた後、質疑応答及び施設見学を実施した。

<説明の概要>
   オアシス千歳デイサービスセンターにおいては個別機能訓練を実施しており、生活動作に特化したリハビリを行っている。また、日々のリハビリの成果を確認するために外出リハビリ等も実施しており、介護者の負担軽減に取り組んでいる。

<主な質疑応答>
(問)要介護認定等基準における要介護5の利用者はおられるのか。
(答) おられる。オアシス千歳デイサービスセンターでは入浴や食事を行っているが、付近のオアシス千歳リハビリデイサービスセンターでは、介護予防を目的としており、入浴も食事も行わない。施設の利用目的に応じてサービス提供を行っている。サービスの提供時間も異なる。

(問)職員1名で何名の利用者を担当するのか。
(答)職員1名が担当する利用者数は概ね3名程度である。

(問)送迎車は何台あるのか。
(答)5台である。

(問)利用者の多くが入浴するのか。
(答)9割の利用者が入浴を行う。

(問)利用者の男女比は。
(答)曜日にもよるが、女性の方が多い。女性が8割、男性が2割程度となっている。

◎7月2日(火曜日) 14:20~ デイサービス はつらつ空間 ゆずりは

<施設運営等について>

   初めに、理事および管理者からの歓迎のあいさつを受け、続いて管理者から施設の説明を受けた後、施設見学を実施した。

<説明の概要>
(1)通所介護(デイサービス)について
   通所介護とは、施設利用者に対し、送迎・健康状態の確認・入浴・食事・排泄・機能訓練等、日常生活の支援を行うものである。内容は幅広く、認知症ケア・口腔機能の向上・栄養改善・独居生活の不安解消なども含まれる。介護報酬には加算という事業所の利益につながるものもあるが、算定要件を満たす必要があるため、加算がそのまま収益となるわけではない。
   制度改正はあったが介護報酬は思うように上がっておらず、他方で最低賃金は上がっている状況のため、経営を圧迫されている事業所も多い。

(2)通所介護の種類
   兵庫県が管轄するデイサービス、市が管轄する認知症に対応したデイサービス、市が管轄する短時間の利用ができるデイサービス、市が管轄する療養型のデイサービスなどがあり、種類が多い。
   ケアマネージャーにより利用者に適したデイサービスが選定され、本施設の利用にもつながっている。デイサービスの報酬は、サービスの種類に応じて国が定めており、加算の算定状況等によって報酬金額に変動がある。

(3)デイサービス はつらつ空間 ゆずりは
   施設の定員は25名で、月曜日から土曜日まで営業している。定員の設定については、兵庫県への届出が必要となっており、利用者一人に対する必要な面積が決まっている。また、届出の際には、相談室・事務室・その他の設備等の写真を添付して申請を行う。
   人員配置については、国の定める最小限の人数では職員の急病等に対応できないため、それ以上に職員を雇用する必要があり、人材が不足している現状では、人材の確保が課題になっている。
   8時30分の開所に合わせて、それまでに送迎、昼食準備、消毒、出欠確認等を行うため、7時30分に始業となる。
   一日の流れは、7時30分から8時30頃までに受入準備、送迎、利用者の受入、水分補給やバイタル測定を行った後、午前中に入浴、個別機能訓練、体操、看護師による口腔体操等を行い、12時から昼食となる。午後は昼寝、休憩、手を使った作業、個別機能訓練、体操、レクリエーション、おやつを経て、15時から送迎し、17時以降に施設の掃除を行った後、17時30分頃から事務作業を行っている。

(4)課題
   他施設とのつながりが十分でないこと、介護スタッフの高齢化、年齢層の違いによるスタッフ間での考え方の相違、新規事業所の開設による介護人材の不足などが大きく挙げられる。最低賃金の差により、大阪府での就職を希望する方も多い。

◎7月2日(火曜日) 15:05~ 伊丹市立伊丹小学校

<不登校対策支援事業について>

   初めに、伊丹小学校長から不登校対策支援事業に係る説明を受け、質疑応答がなされた後、スマイル教室を実施した。

<説明の概要>
(1)不登校児童や登校渋りの児童数
   令和6年5月末における不登校児童数は計11名であり、その他、別室登校や、午前もしくは午後のみ登校している児童もいる。

(2)不登校に対する考え方
   以前は登校することが前提だったが、現在は、児童が社会的に自立するよう、本人に合った学びの場を設定していくという考え方が職員の共通理解となっている。短時間でも学校に来る日数を増やし、その後、教室で授業を受けるのか、別室登校を続けるのか、本人に合った方法を選択する。
   また、未然防止および早期発見が重要という考え方も職員の共通理解としてある。

(3)不登校対策プラン
   伊丹小学校における不登校対策プランの目標は以下の3つとなっている。
〇前年度に予兆が見られた児童や現状、不登校児童について、全職員で情報共有する。
〇別室登校している児童が少しでも教室での授業に参加できる手立てや割合を増やす。
〇すべての不登校児童についてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、関係機関等と連携し、誰一人取り残さない取組を進める。

   令和4年12月に生徒指導提要が改訂され、発達支持と未然防止教育に重点的に取り組むこととなった。県の不登校対策プランには、発達支持、未然防止教育、早期発見対応、困難課題対応の4つが盛り込まれている。発達支持および未然防止教育については、市内小学校の担当者会等で取組を共有しており、生徒指導や不登校対策だけでなく、児童が楽しいと思える学校を作ることを目標とし、自分の居場所がある学級・学校づくり、わかる授業の創造に注力している。また、不登校については、登校支援担当を中心に、組織で取組を進めている。
   不登校対策プランにおける第1支援では、欠席が増えた児童や、遅刻・欠席が続いている児童に担任が気づき、長期間の欠席になる前に、保護者と連携の上、学年団で共有し対応する。
   第2支援では、生徒指導部会を通じて、学校全体で支援の内容等を共有する。共有のため、フォローが必要な児童については、担任が毎月1回共有シートを入力している。
   第3支援では、ケースの内容によって、ケース会議を通じて別室登校の必要性について検討する、学習のつまずきや特性がある場合は特別支援教育コーディネーターと連携し通級指導教室への通室を検討する、いじめ不登校対策委員会やケース会議を開催して多くの関係機関と連携する、等の対応を行っている。

(4)別室(スマイル教室)について
   伊丹小学校のスマイル教室は、不登校対策支援員配置事業に基づいて運営している。不登校対策支援員配置事業の趣旨は、各学校における不登校支援に加え、不登校対策にあたる人材配置により、不登校および不登校傾向のある児童生徒への支援体制の強化を図り、組織的な対応を充実させることであり、事業内容は、学校長の命を受け、担任・生徒指導担当及び不登校担当と連携し、不登校及び不登校傾向にある児童生徒を対象に「心のケア」「個別対応」「学習支援」等を行うために、不登校対策支援員を配置することとなっている。
   スマイル教室は教室棟の1階に設置しており、通常学級と接していないため静かな環境である。また、保健室や職員室等と近いため、別室登校しやすくなっている。

(5)不登校対策支援員の主な活動内容
〇出欠確認
   スマイル教室を利用する児童は、登校した後、直接スマイル教室に行くのではなく、まず教室、職員室、保健室のいずれかに行くことになっており、不登校対策支援員が出欠を確認し、出欠状況を入力している。
〇担任・児童と予定確認
   スマイル教室で過ごす時間と学習内容を確認する。児童によっては保健室だけで過ごす場合もある。
〇スマイル教室での児童への支援
   個別課題の支援、児童の心のケア(傾聴)、担任や友達との関係づくりへの支援等、一人ひとりに寄り添った支援を行っている。
〇児童の様子の報告
   担任・管理職・養護教諭・登校支援担当等で共有しているシートに当日の児童の様子を入力し、報告を行う。
〇懇談やケース会議の内容を共有
   引継ぎが必要な事項等について共有を行う。

<質疑応答>
(問)令和6年度の不登校児童数は11名とのことだが、不登校の原因は。
(答)生活リズムの乱れから起床できないことや集団生活に対して不安があること、母子分離が十分でないことなどが原因となっている。

(問)いじめは何件あるのか。
(答)アンケート結果から70件と把握しているが、今年度不登校となっている11名の中に、いじめが原因となっている児童はいない。

(問)発達障害が原因で集団生活に適応できないケースが増えていると感じるが、学校現場ではどのように感じているのか。
(答)増えている実感がある。1対1で個別の対応を求める児童が増えている。

(問)障がいが原因で不登校になるケースは多いのか。
(答)1つのことに取り組み始めると止まらなくなるケースや嫌なことから逃げてしまうケースなど、決められた枠組みの中での生活に適応できない場合がある。不登校の児童の中にも特性のある児童がいる。

(問)発達障害で病院を受診した場合、投薬することになるのか。
(答)投薬するケースもある。また。受診後は、医師の説明を聞いたことにより、周囲の対応に変化が生まれる。

(問)不登校対策支援員は10時間/週の配置とのことだが、それ以外の時間はその他の教員等が支援を行っているのか。
(答)そのとおり。

◎7月2日(火曜日) 16:05~ 伊丹市立南児童くらぶ

<現状および課題について>

   初めに、児童くらぶの見学を実施した後、担当課長との質疑応答がなされた。

<質疑応答>
(問)稲野にマンションが建設されることによる児童数の増減について、調査などは行っているのか。
(答)一世帯あたりの人数を勘案し、戸数から分析すると、200名程度増加するものと見込んでいる。児童くらぶ利用者の増減について、全ての児童が児童くらぶを利用するわけではないため、児童くらぶの利用者数を見込むのは難しく、また、季節によっても利用者数に変動があるが、余裕を持って見込み、概ね2割程度の増加が想定される。

(問)昼食提供の実証実験では、シルバー人材センターが提供を行っていたが、この夏はどうなるのか。
(答)南児童くらぶにおいては支援員が昼食提供を行う。

(問)支援員に欠員は出ていないのか。
(答)概ね93名程度の支援員がおり、利用児童が増えた際や支援が必要な児童の利用があった際には不足が生じることもあるが、必要に応じて補助員にも対応を求めている。

(問)児童の日々の利用人数において、支援員の不足が常態化しているということはないのか。
(答)ない。適正な人数配置を行っている。

(問)支援員が必要な児童の人数は。
(答)令和6年6月時点では、伊丹市全体で133名、南児童くらぶでは十数名程度となっている。

(問)夏休み期間の児童くらぶ利用申込方法に変更があったが、そのことについて担当課に対して意見や問合せはあったのか。
(答)変更があることの周知は令和5年10月からホームページと紙媒体で行ってきたが、問合せはあった。

(問)児童くらぶの利用率が100%になった場合でも、廊下等は使用せず、教室だけで対応できるのか。
(答)そのとおり。

(問)南児童くらぶにおいて、延長保育の利用は多いのか。
(答)比較的多い。最長で19時まで利用できる。18時30分頃までに迎えに来られるケースが多いが、19時まで利用されるケースもある。

(問)支援員の男女比は。
(答)8割から9割が女性となっている。

(問)専用棟ができた後、現在使用している机やいすなどを引き続き利用するのか。
(答)使用できるものはそのまま使用し、買換えが必要なものについては購入する予定としている。

(問)利用者数が最も多い児童くらぶはどこか。
(答)伊丹児童くらぶ、南児童くらぶ、稲野児童くらぶの利用者数が多い。年度途中の入退所により順位に変動はあるが、令和6年5月時点では、伊丹児童くらぶが252名、南児童くらぶは240名、稲野児童くらぶは239名の利用となっている。

(問)神津児童くらぶの利用者数は。
(答)概ね40名程度となっている。

(問)児童くらぶの時間割は共通か。
(答)おやつの時間など、共通している部分もあるが、外遊びをするのか室内で過ごすのかなど、状況に応じて選択する部分もある。

(問)土曜日に児童くらぶを利用し、途中で土曜学習に参加して再度、児童くらぶに戻ってくることはできるのか。
(答)土曜学習に行ってから児童くらぶに来る、もしくは児童くらぶに来た後に土曜学習に参加することはできるが、途中で児童くらぶを抜けて戻ってくる場合には保険が適用できなくなるため、児童の安全の観点からできないこととなっている。

(問)体育館を使用することはあるのか。
(答)活動内容に応じて体育館を使用している。

(問)運動会の後に児童くらぶを利用することはできるのか。
(答)可能である。

(問)民間児童くらぶの誘致について、新規利用者の増加や既存利用者が民間児童くらぶを利用することなどが想定されるが、どのように見込んでいるのか。
(答)基本的には新規利用者の増加を見込んでいるが、利用者数が多く、利用者数が定員数に迫っている児童くらぶについては、民間児童くらぶの誘致によって、ある程度定員に余裕ができるものと見込んでいる。

(問)民間児童くらぶにおける利用料はどうなるのか。
(答)民間児童くらぶの誘致においては、習い事等のオプションを付与することにより高額になる場合も想定されるが、オプションを付与しない場合の基本料金については、公立の育成料と同程度になることを想定している。

以 上

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