台風はそれてくれました。

子供の頃は台風が来ると聞くと

そわそわワクワクしていた。

気圧が下がるとテンションが上がる。

それほど野生児だった訳ではない。




さくらホールで寝ている母を迎えに行く。

ホールで納棺をして寝台車で搬送。

粛々と物事が進むかと思いきや

世の中そんなに甘くない。



ひっきり無しとまでは言わないまでも

電話が次から次に鳴り妻が振り回されている。



「電報を送るから住所を教えて欲しい」

「誰それの名前で生花のお供えをして欲しい」

「駐車場は有るのか？」

などなど。。。



いつもよりほんの少しだけ余分に時間をかけて

柩の中に横たわる母を綿花シートを使って飾り付ける。



これはボクにしかできない。

妻や、番頭さんにもレクチャーしているんだが

なかなか難しいみたいだ。



居合わせた皆で”末期のお水”をして

式場へ移動。



式場で安置した後も生花の申し込みや受付の設営、

音響設備の設営、、、、。




あれ？

そう言えばこの日のお昼って、何を食べたんだろう？？

確か、、、阪急伊丹駅前の割烹

「うしお」さんでおにぎりの盛り合せか何かだったっけか....。



2週間でどんどん記憶が薄れて行く。。。



日頃お客さんに言っている

「意外とお葬儀の事って記憶に残らないですよ、

　記憶に残るとすればハプニングやお料理の善し悪しくらいですよ」



まさにそれを身を以て体験している。


忙しくしている僕を捜す人がいる。

色んな所から呼ばれて聞かれて、、、。




そんな中で常休寺さんの若住職が「枕経を勤めようか」と

声を掛けて下さっていたんだが、それにお返事ができたのは

通夜が始まる直前でした。



折角のご好意だったのに。。。



母の兄弟をはじめ親族が揃い始める、

お通夜まで1時間を切った時、

一番早いご弔問のお客様がお見えになる。

僕の同友会仲間だ、

声を掛けてお寺の散策など時間つぶしを促す




“なにかをした”訳でもなく、ただ時間は刻まれて行く。

150席程用意したテントの椅子もざわざわと埋まって来る。



司会者との打ち合わせ、

セレモニーレディーとの打ち合わせ、

受け付け役員さんとの打ち合わせ。



あっという間にお通夜に。



厳かなBGMの中、導師さんの入場。

祭壇前に着座。。。



と、その時

「がたんっ！だだだ、、、。がさがさがさ！」

？？？

誰だ？暴れているのは？




うちのスタッフだ。。。

どうしたんだろうと見てると

本堂の内陣（祭壇の裏手）から

お鈴を持って登場。。。。



ぷぷぷっ！まじ？！

導師の席にお鈴が用意されていない事に

誰一人気付かなかっただなんて、、、。




そうか、スタッフのみんなからしても

慕っていた女将さんの通夜だもんな。。。

いつも通りはなかなか難しいか。。



でも、このタイミングで気付いた事は凄いと思う。



何かが降臨して来たんだろうな。。