連載4回目は、旨味があり、減塩効果が高い「醤油麹」についてご紹介させて頂きます。

「醤油麹」は、醤油と麹を混ぜて1週間から2週間ほど常温で発酵させたものです。

塩麹や甘酒ほど注目されていませんが、旨味と甘みがあり、美味しくて使いやすい発酵調味料です。

醤油のメリットも沢山ありますので、まず醤油のお話をさせて頂きます。

醤油のメリット

醤油の複雑な味わいは、「旨味、塩味、酸味、甘味、苦味、」の５つの味のバランスで成り立っていて、世界でも珍しい調味料です。だからこそ、和食の繊細な味が表現できるのではないでしょうか。

◎旨味：大豆と小麦に含まれているタンパク質がアミノ酸に分解される。アミノ酸のひとつであるグルタミン酸は旨味の主役になる。

◎塩味：海水の塩分濃度は約3.4％といわれていて、濃い口醤油は、約16～17％です。その差は約5倍ですが、それほど塩辛く感じないのは、アミノ酸や乳酸などの成分がまろやかな味わいを作っているからです。

◎酸味：食欲を促進し、やさしい酸味は、塩味を和らげ、味を引き締める役割があります。

◎甘味：小麦のデンプン質がブドウ糖に変化し、まろやかな味を作る。

◎苦味：直接的には感じませんが、甘すぎず、辛すぎず、すっきりした味に整えて、全体にコクを与えます。

醤油の素晴らしい効果

◎消臭効果：魚などの生臭さを消す働きがある。（お刺身に醤油）

◎静菌効果：醤油に含まれている塩分やアルコールなどには、大腸菌の増殖を止めたり、死滅させる効果があります。佃煮などは、この効果を利用した保存食です。

◎抑制効果：塩鮭など、塩辛いものに醤油を垂らすと、逆に塩辛さが抑えられることがあります。これは醤油に含まれている有機酸類に塩味を和らげる働きがあるからです。（私は疲れた時や食欲のない時に、アツアツのご飯に、梅干しと醤油麹をのせて食べています。梅干しの塩味が和らぎ美味しいですよ！）

こんなに素晴らしい効果のある醤油なら、麹を混ぜなくてもいいのではと思った方もいらっしゃると思いますが、市販の醤油は最終的に熱を加え、菌の働きを止めいているので、醤油から生きた麹菌や酵素を摂ることは期待できません。

そこで、醤油に麹を加え「自家製醤油麹」を作ると、麹のパワーがまるごと頂けます！

麹の健康効果

（1）煮物など作る時、醤油麹に甘みがあるので、お砂糖の量を減らせます。

旨味があるので、コンソメや鶏ガラなど使わなくても美味しく仕上がります。

→化学調味料を減らすことが出来る！

（2）素材の持っている栄養素だけではなく、麹菌が生み出す酵素の力によって、ビタミンやミネラルが豊富になります。

→美肌や疲労回復などに効果的！

（3）麹の酵素によって生み出される、オリゴ糖や食物繊維は、善玉菌のエサになり、腸内環境が良くなります。

→便秘の解消や肌荒れの改善も期待できます！

醤油麹の使い方

醤油麹は、普段使っている醤油の代りに使える便利な調味料です。

まずは、そのまま使ってみましょう！

・冷奴にネギと鰹節、大葉、茗荷などと一緒に加える。

・厚揚げをオーブントースターで焼き、おろし生姜と醤油麹をのせる。

・納豆に、醤油麹と卵を加えて混ぜる。

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