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男と女の「おかしな!?」ハナシ

“女の子は理系が苦手”は、思い込み?

実は成績に男女差はない

あなたの身の回りにも時々起こる

「これってどうなの?」「おかしくない?」という話。

このコーナーでは、毎回、「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。

“女の子は理系が苦手”は、思い込み?

今回のつぶやき主は、同窓会で久々に会ったアケミさん、ヨウコさん、ケイさん。

3人とも中学生の娘を持つ母として、子どもの勉強のことが気になっています。

アケミ: 全国学力調査ってあるでしょ、小6と中3を対象に全国でする調査。

 あの結果を、今年初めて男女別にも分析したんだって。

 

ヨウコ: 今までは男女別に見ていなかったの?ケイは、中学校の先生だよね。知ってる?

 

ケイ : 今まで男女別の分析なんてしてないよ、だって学力は個人差だから。男か女かなんて関係ないもん。

 

アケミ: 学力調査と同時にアンケートもされていてね、アンケートの方なんだけど理系の科目を「得意」って思っている割合が、男子より女子の方がぐっと低かったんだって。

ヨウコ: それはそうでしょう。女子は理系科目が苦手だもん。

 大学の工学部だって、ほとんど男子じゃない。うちだって、女の子だから理系の進路は関係ないって思ってるし。

 

アケミ: それがね、理系科目の成績には男女で差がなかったのよ。成績に男女差は無いのに、意識に男女差があるっていう話。

 

ケイ: 普段のテストでも成績に男女差はないから、そこはわかるけど、苦手意識に男女差があるなんて、思ってもみなかった。ホント?

 

ヨウコ: え~、じゃぁ、女子は理系の成績がよい子が男子と同じだけいるのに、その子たちは「得意じゃない」って思っているってこと?

 

アケミ: うん、女子にはそういう傾向があるって結果らしい。
 「理系に女性が少ない原因の一つは、能力はあるのに、理系にマイ ナスのイメージを持って、理系を避けてしまう女子がたくさんいるからだ」ってって書いてあったよ。

 能力はあるのに、それに気づけないって、もったいないよね。

 

ケイ : 学校では男女平等になるように気を付けて指導しているのに、なぜかなぁ。

 どこで意識の違いが出てくるんだろう。

◆ヨウコのつぶやき

理系の成績が男女で差がないなんて知らなかったわ。

女の子で理系に進むのは特別な子で、ほとんどの女子は関係ないと思っていたけど、違うってことね。

うちの子は、本当はどういう進路が向いているのかな。

 

◆ケイのつぶやき

「生徒を性別で判断しない」って教えられてきたから、今までは男女別の分析をするなんてありえないし、必要もないって思ってた。

理系の成績がよくても理系進路を選ばない女子が多いのは不思議だったけど、「苦手意識に男女差がある」からなのか。子どもたちが能力を活かせるように、ネガティブな意識を持っている女子たちに何ができるか、考えなくっちゃ!

 

◆アケミのつぶやき

今回、男女別に分析をしたことで、理系科目について「成績に男女差はない」とか、「意識に男女差がある」ってことがはっきり見えたということは、データを男女別に分析するのも大事ってことね。

【ミニ知識】     

成績差はないのに、自信に差あり

 

全国学力調査について、2025年初めて男女別の分析が行われました。

結果、成績(平均正答率)に男女差はほぼないにもかかわらず、算数・数学や理科に興味や自信を持つ女子は男子より大幅に少ないことが分かりました。

横からちょっと言わせて

弁護士で、不惑を越えてからの子育てに奮闘中の中村衣里さん

なんとなく、「女の子は理系科目が苦手」との言葉は、昔から今に至るまで聞かれる言葉ですね。

まずは、個人のレベルでは、当該の女の子自身が「自分は理系科目苦手だから・・」との思い込みで語ったり、若しくは、人によっては(できないことの)『言い訳』として使う言葉として(わたしは後者だったかもしれません笑)使われることがあります。

また社会的なレベルでは、大学への進学率や学部別の男女比の数字を説明する「理由」としてこうした言葉を用いたり、場合によっては、女の子の理系進学をなぜか諦めさせるための言葉として利用される場面もあるようです。

まさに、ジェンダーの問題、アンコンシャスバイアスの問題が凝縮されたような課題のひとつと言えそうです。

これまでは、仮に理系科目が好きで得意な女の子がいても、「女の子が理系の勉強なんて!将来何の役に立つの?」等と言われ、女の子自身の自由な選択を阻んできた例はたくさんあったのだと思います。

しかしそれがまさに社会の思い込み、また女の子自身の自己自制によるものであったとすれば、これまでどれほどの「輝く才能」が開花することなく、結果、社会の損失となり、そして女の子自身の自己実現を阻んできたことでしょう。

そうした反省にも立ち、また、女の子、男の子にかかわらず、誰もがその持てる能力を発揮できることの大切さに気づき始めた現代。

国や自治体、大学等の教育機関、そして学校現場、家庭でも、女の子にも自由な選択肢が与えられるような仕組みに変わってきているように感じます。

そのひとつの現れが、今回のようなアンケート調査の試みなのでしょう。

さて、私はこのアンケート調査の結果を拝見し(ただし、詳細に調べたうえではないことは御了解いただきたいのですが)、次のような更なる疑問や視点を持ちました。

まず、今回の調査では、各科目ごとに「得意」かどうかを回答させる設問になっているようでした(つまり、どれかひとつだけ自分にとって「得意」の科目を選ばせるのではなく、複数の科目に対しいくつでも「得意」だと答えることができる設問となっています)。

そこであるお子さんが、「算数(数学)」も得意だし、一方で文系科目である「国語」も得意だと言うことも可能だということにもなるわけですが、たとえば「勉強自体」に自己肯定感高く持っているお子さんについては、「何が一番得意なのか」はわからない設問だな、と思いました。

また、ある科目について「(いわゆる相対的に)点数が高い人」がその科目を「得意」と答えているのか、またその反対はないのか、その関連性について分析をしているのだろうかということも気になりました。

さらに、各科目について「得意」ではなくても「好き」という気持ちを持っているお子さんの「気持ち」の部分も調査はなされているのでしょうか(若しくは「得意」か、「好き」か、という設問自体、かなり答える人にとって、客観的な評価として応えるのか、主観的な感情のものとして応えるのか、かなり迷う設問だなとも感じます)。

もしかすると、そのお子さんの才能を開花させるカギは、「得意」(この場合、ペーパーテストで思うように「点数」が取れるかどうかだけで「得意」の評価をしてしまうことも往々にしてありそうです)よりも実は「好き」という純粋な気持ちのほうが大切なのではないかとも思うのです。

さて、女性の科学者(いわゆる「理系女子(リケジョ)」)について言えば、その少なさをまざまざと感じさせられる時期があります。

それは、ノーベル賞の各賞受賞者の発表時です。最近でこそ女性の受賞者も見られますが、それでも圧倒的に、受賞者は「男性」です。

日本のノーベル賞受賞者は、全員「男性」ですね。

男性受賞者の受賞スピーチで「支えてくれた妻、家族に感謝」という言葉をよく聞きますが、やはりここにも、それぞれの御家庭の中でいろいろな性別役割分担があるのだろうなと、ジェンダー視点で見てしまう私がいるのです。

そして一方で、研究を続けたくても、この「家庭内の役割分担」ゆえに断念した数多くの女性たちもいたのであろうと考えずにはいられません。

最後に、女性のノーベル賞受賞者といえば、マリ・キュリー(ポーランド)が有名です。

彼女は2度ノーベル賞に輝きましたが、常に「科学は男性のもの」という偏見と闘ってきたと言われています。

その偏見と闘うことができた背景には、彼女の能力と才能をお互いに認め合い、高め合って、共に研究し、物理学賞を受賞したパートナーの存在も大きかったのではないでしょうか。

一番身近な家族であるパートナーはもちろんのこと、女性たちが力を発揮するためには、その才能や活躍を心から認め、喜びあう周囲の存在が大切なのです。

私たち一人ひとりも、女の子、男の子にかかわらず、子どもたちが「好きだ」「やってみたい」ことを、真正面から支え、応援していきたいですね。


 

原稿担当 : NPO法人 あなたらしくをサポート(愛称:らしーく)
イラスト : 林やよい

 

※このイラストを利用されたい場合は「NPO法人あなたらしくをサポート」nporasiku@gmail.com までご連絡ください。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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