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伊丹市ポータル「いたみん」

参考資料2 わたしたちの提言(伊丹市まちづくり基本条例への市民提言)

対話の場

私たちはまちに対していろいろな想いを持っています。自分ひとりでその想いをかなえることができればいいのですが、なかなかそうはいきません。誰かの協力を得てそれが実現する、しかし、誰にどうやって呼びかけていいのか、わからない状況があるのではないでしょうか。そうした場ができれば、そしてそこに気軽に集うことができれば、というのが「対話の場」設置の目的なのです。

また、従来地域で多くの方々がまちづくりのために活動を続けていますが、一部の人に負担がかかってはいなかったでしょうか。一方で、まちづくりの活動をはじめたいがきっかけがない、どうしていいかわからない、という人もいます。対話の場でこうした人々の出会いがあれば、お互いができることを重ねあうことができます。

対話の場は、まちづくりについての情報交換の場です。月に一回程度、定期的に集まり、お互いに情報を持ち寄ります。この場で出される情報には、おおむね3つのタイプがあります。1つ目には、参加の呼びかけです。呼びかける人やグループが企画、実行するさまざまな活動やイベントに、より多くの人に参加して欲しい、参加の輪を広げたい、そうした呼びかけです。2つ目は、協力の依頼です。「こんなことをやりたいが、それを実現するためにはこんな協力が必要です」、そうした呼びかけです。たとえば、「活動の企画は煮詰まっており、実行する人もいるが、場所がみつからない、だれか場所を提供してくれませんか」、という呼びかけがあります。そこに、「私が持っている場所を使ってください」という申し出があれば、活動が実現します。

3つ目は、「こんなことに困っている」という課題の投げかけです。ひとりやひとつのグループでは手におえない、そんな地域の課題があると思います。こうした呼びかけに対しては、場に参加している人々が自分や自分が所属しているグループではどんなことができるのか、を考えることになります。そして、できることを積み重ねていくことで課題の解決を図る、という手順になります。なかには、なかなか解決方策がみつからない、という場合もあるでしょう。このような課題は深刻な問題だと思うので、対話の場で継続的に呼びかけをおこなうとともに、別の場で集中的に議論をする必要があると思います。

対話の場から別の場に議論を移すのは、対話の場を気軽な情報交換の場として保ち続ける工夫でもあります。対話の場を議論の場でなく、あくまでも情報交換の場にしておくことが大切なのです。いままではどうしても集まれば議論になってしまいました。そして他人を批判したり、活動を押し付けてきたことも少なくなかったと思います。それが集まりを重い雰囲気にし、気軽な参加を妨げてきたのではないでしょうか。確かに重要な問題は集中的に議論する必要があります。しかし、それはあくまでも別の場でなされるほうがよいと考えます。

対話の場は、気軽な情報交換の場であり、そこから協働活動やネットワーク、そして新たな議論の場が生まれていく、そんなきっかけづくりの場なのです。