「10年ひと昔」というが、今の時代の変化はどうか。2年もすれば、人が変わり、しくみが変わり、世の中が変わっている。まさに「2年ひと昔」という感がある。
急激な少子高齢化、情報化、グローバル化の進展の中で、オックスフォード大学教授の「今ある職業の50%が今後20年以内で消えてしまう(2014年)」というレポートに社会は衝撃を受けた。
これまで、本市教育においては、子どもたちの学力や体力の向上、豊かな心の醸成等に着実に成果を上げてきた。
しかし、将来の変化を予測することが困難な、これからのグローバル社会の中で生き抜く人材には、さらに「チャレンジ精神」や「創造性」が求められる。さわに、さまざまな価値観や背景を持つ人々が、相互を尊重しながら、人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験のない問題について、深く考え、合意形成を図りながら課題を解決する力を培うことが必要である。つまりこれからは「自分の力で考え発信し行動する人材」が求められている。
このような資質を育てるために、教育の果たす役割が極めて大きく、社会の教育に対する期待はますます高くなっている。
また、教育は、学校教育だけで完結するものではない。教育を生涯学習という観点から捉え、家庭教育、学校教育、社会教育が互いに連携し、その役割を果たすことが重要である。そして、若者、高齢者を問わず、個人の発達段階やその時々におかれている状況を踏まえつつ、生涯を通じて学び続けることが不可欠である。
「地方創生」の観点からも、学校を核として、学校と地域が協働・連携した取組や地域視点を活かした教育活動を進めることが必要である。まさに、「伊丹創生」は市民一人ひとりが教育を「他人事」ではなく、「伊丹の未来のための自分事、みんな事」として捉えることから始まる。そのようなことから、全ての小中学校に学校と地域が協働・連携する体制を構築するとともに、地域を担う人材の育成につながる教育を推進する。
伊丹市の人口は、平成19年から平成27年にかけて約1.9%増加しており、平成27年現在、約19万8千人となっている。ここしばらくは微増傾向が続くが、平成72年には、約15万人になるとの予測もある。
(1)市立幼稚園
市立幼稚園の就園者数は、1,200人前後、就園率30%程度で推移してきた。
しかし、ここ数年、基礎幼児数の減少や保育所ニーズの高まりから、園児数は減少傾向にある。
平成25年度には、子ども・子育てのニーズに対応するために、神津幼稚園と神津保育所を一体化した、神津こども園を設置した。
(2)市立小・中学校
市立小学校17校の児童数は、近年微増傾向にあったが、最近は、ほぼ横ばいの状況である。また、市立中学校8校の生徒数は、微増傾向にあったが、平成25年度からは、微減傾向にある。
(3)市立高等学校
平成21年度までは、1学年6学級編成であったが、平成22年度から順次1学年7学級編成とした。
市立高等学校(定時制)は、平成26年度末で県立阪神昆陽高等学校に統合し、閉校した。
(4)市立特別支援学校・特別支援学級
児童生徒数及び学級数は、微増傾向にあったが、平成27年度はやや減少した。市立小・中学校の特別支援学級の児童生徒数は、増加傾向にあり、特に小学校は、著しく増加している。
障がいの種別では、知的障害、自閉・情緒障害等児童生徒数が増加している。
平成27年度全国学力・学習状況調査における平均正答率は、小学「6年生は、ほぼ全国平均、中学3年生は、全国平均をやや上回っている。
経年変化においては、小学6年生は横ばいだが中学3年生は上昇傾向にある。
平成27年度全国学力・学習状況調査における自尊感情は、小学6年生は、全国平均をやや下回り、中学3年生は、やや上回っている。
自尊感情は、経年的には、小中学校とも上昇傾向にある。
市立小中学校におけるいじめ認知件数は、全国的にいじめ問題が課題となった平成24年度に大幅に増加したものの、その後は減少傾向にある。
不登校者数について、小学校は横ばいで、中学校においては、増加傾向にある。
問題行動の件数については、小学校は横ばい、中学校は減少傾向にある。暴力行為については、小中学校とも、近年大きく減少している。
小学5年生男子は、上体起こし(筋力)、20mシャトルラン(持久力)に、女子は上体起こし(腹筋)、反復横跳び(敏捷性)、20mシャトルラン(持久力)に課題が見られる。
中学2年生は、男女とも、上体起こし(筋力)及び長座体前屈(柔軟性)に課題が見られる。
(1)図書館
利用者数(本館、南・北分館、西・神津分室)は、増加傾向にある。平成24年7月には、本館(ことば蔵)が中心市街地に移転開館し、平成26年度には834,000人を超えるなど、過去最高を記録した。
(2)公民館
利用者数は、100,000に程度で推移している。
(3)博物館
60,000人前後で推移したが、減少傾向にある。(平成25年度は、「ことば蔵1周年記念展」の開催による)
(4)ラスタホール
利用者数は、190,000人程度で推移してきたが、平成26年度に学習室を新設し、増加した。
(5)きららホール
利用者数は、143,000人前後で推移している。
ローラースケート場、稲野公園、スポーツセンターの利用者数は、全体を通しては増加傾向にある。緑ヶ丘プールの利用者数は、天候に左右されるが、ほぼ横ばいである。
猪名川第1、第2、第3A、第3B、第4が、平成25年度、平成26年度に大きく減少しているのは、台風被害により、施設が長期にわたり利用できなかったためである。
緑ヶ丘体育館は、第1体育館の利用者は、大きく増加しているが、第2体育館、第3体育館については、少し減少傾向にある。