「青春と読書」みかんの香の指に(井上 鈴野)
嘘なんていけませんよと蜜柑むく(野上 卓)
幸福度百%蜜柑美味(藤田 晋一)
赤子抱く蜜柑のかほり爪に残して(夏の椿)
ほめられてみかんの色に蜜柑山(平 きみえ)
蝶々の教へてくれし蜜柑捥ぐ(山田 信子)
気まずさの解ける時のゆるやかさ白きレースが空気を含む(渡邉 知博)
訳本を探しています諳んじた「ぼくのキツネ」のあの一節の(煤馬)
ゆきやなぎ南北にのび東京を捨てたときいた君がベンチに(井上 鈴野)
石段をグリコとのぼる背なを追い子ども時代のリピーターとなる(菅澤 真央)
オンライン初めましての三日後に地元の駅で再び会った(噂野アンドゥー)
ワクチンを打つまで会わない約束の父母が捨ててきたマスクの数よ(芍薬)