噴水の水は光に濡れている(井上 鈴野)
噴水のなかで時間が惑乱す(野上 卓)
噴水や北東に恐竜の骨(睦月くらげ)
噴水へ子らを放ちて小半日(伊賀 豊子)
噴水の広場の犬のつつましさ(堺 紀彦)
噴水や実はわたくし魔女だった(平 きみえ)
必要な人材ぢやないわたくしは透きとほりつつ定時で上がる(芍薬)
仕事欄に「無職」と書けば居心地がわるく「なし」とすなしが仕事だ(野上 卓)
まるで薔薇園仕事中毒の症状Flower flies like life.(ハナアブ科は生命を好む/人生のように花は飛ぶ)(田中 大貴)
ホワイトカラー何でも合わせられるから今日はお好み焼き定食で(菅澤 真央)
難破船傾斜角度は四十度現場調査の海は大時化(藤田 晋一)
一日の仕事を終えて空見上ぐこの安堵感兵士たちにも(知地 一代)