さらさらと青い動脈春の川(平 きみえ)
翌日は春の川にてお引っ越し(噂野アンドゥー)
歯医者から自転車を漕ぎ春の川(友常 甘酢)
春の川水面に固き意志の顔(八島 和也)
春の川ごきげんようとヌートリア(戸川冨士子)
吊橋は十二人まで春の川(渡辺 啓子)
戦士らを乗せたパレードバスを待つ2023年こよなく平和(渡辺 啓子)
まだ生きていいのかなどと我が脳に問ふてるやうな手術の続く(小田 慶喜)
2以外の偶数は素数にあらず算数支援の姉に説きおり(近江 菫花)
第九波についに呑まれて父逝きぬ四年外食をしなかった父(芍薬)
次々と開く傷口手で押さえ血を止めていた2023(友情甘酢)
この短歌2023年詠むとして掲載の日は2024年(噂野アンドゥー)