柿衞文庫と図書館ことば蔵による俳句と短歌のイベント「ことばの競演」を、イオンモール伊丹のエンターテイメントコートで開催しました。当日は、受付開始から10分程度で満席となり大盛況でした。
イベントでは選者の坪内稔典さんと尾崎まゆみさんによる「ことば」をテーマとした対談を行いました。また、事前に募集した俳句・短歌の選考と、「酒」をテーマとした俳句と短歌をその場で参加者に実作していただき、選者のお二人にライブ選考をしていただきました。たくさんのご応募とご来場、ありがとうございました。
当日イベント内で行った選考結果は、下記のとおりです。
俳句
応募総数145
特選
老松を下げて来た来た柿日和(平 きみえ)
入選(当日の部)
秋の雲桂花陳酒とピーナッツ(岡村 アサ子)
ぴかぴかの卵並ぶやおでん酒(国代 鶏侍)
酒五勺さんま一匹あればいい(前田 延子)
すれ違うことばのかわり温め酒(渡邊 美保)
入選(事前の部)
金木犀登校中に木が六本(高橋 鞠花)
妹に尻尾の生えて芒原(土谷 倫)
十月はスパンコール期みずも陽も(原 ゆき)
兄ちゃんのほうがうまそうふかし藷(藤川 しげ子)
だって秋ジャングルジムのてっぺんで(よしだ 芳子)
短歌
応募総数64
特選
ほろほろとワインの赤が合流す血潮となって体をかける(里井 貴美子)
入選(当日の部)
老松も白雪も酒クククーと飲めばなんだか笑ってしまう(平 きみえ )
メタノール含有密造酒きらきらと合法大麻をやる漢方医(田中 大貴)
八十を過ぎて今なおワイン好きわたしはわたしお洒落もつづく(土谷 倫)
マスカットワインとなりて初恋の甘ずっぱさも完熟しけり(樋口 由美)
入選(事前の部)
躊躇なく回転寿しを取るあなた大事なことは決めないくせに(影山 英之)
手を挙げた人から冬をもらえます季節売場の片道切符(今野 浮儚)
臍の緒を切られし記憶蘇る黒枝豆をじよきりと切れば(高山 葉月)
知らないよそれも知らない悪いけどそんなことより空きれいだよ(松代 享子)
楽しみははずきルーペを取り出して海辺のカフカの続き追う時(諸富 千歳)