
吾の腕でうねる赤子が視る驟雨(平松泥沸)
幸せに気付く仕合わせビヤホール(藤田 晋一)
雑踏に赤きヒールや蝉時雨(睦月くらげ)
ガラスペン夏の葉書の青い文字(竹中 佳子)
初孫の稚鮎の匂い抱き上ぐる(大澤 定男)
アボカドの種のころころ曇の峰(平 きみえ)
この夏も深夜スーパーばっかりでシチリアレモンくらいの旅情(堺 紀彦)
神さまの中にsummerがみつかって君と飲みたくなるレモネード(田中 大貴)
たましいをうつつへ戻すために食むドライフルーツ瀬戸内レモン(睦月くらげ)
検体の唾液を溜める数分のまなうらに立つ巨大な檸檬(芍薬)
ひと匙のレモンの汁を暮らしにも垂らした 強い自由の匂い(友常甘酢)
効くのかと母に聞いたら笑うのみ輪切りのレモンずれて落ちてく(厚ケ瀬 蓮)