
どこまでも色のパレット秋の朝(廣澤 真希)
旅先はどんぐりの街青信号(睦月くらげ)
消灯し宇宙となりし刈田かな(平松泥沸)
ごく稀にぶどうも恋をするらしい(雨森 茂喜)
どんぐりや赤いバケツに五つ六つ(竹中 佳子)
はいチーズ九十八歳秋麗(知地 一代)
自転車を星座にすれば半日をかけてあなたの家までゆける(袴田 朱夏)
思い出の形骸だろうか透きとおる浅瀬にねむる放置自転車(みつき美希)
逃げ水を追いかけペダル踏み込めば風よりうるさい心臓の音(芍薬)
逆風に慣れていなくて自転車のペダルが重い海への青さ(大野 美波)
星月夜いつかグリムの兄弟が森に忘れていった自転車(ヨシダ ジャック)
独り身の冬の淋しさ込み上げる錆びた自転車キコキコ漕げば(八島 和也)