忘年会伊丹銘酒に友の寄る(三宅真)
伊丹郷秋の夜長に清酒あり(藤田かな子)
新涼や昔の友と伊丹酒(小松房子)
新酒酌む友みな伊丹の無名の士(小早健介)
はらからと伊丹の古酒で喜寿を祝ぐ(丸谷和子)
名月や伊丹もなかを食しつつ(村田馨)
流れるものすべて低きに集まれり時の底から飛行機は飛ぶ(流川透明)
空港の待合室で聞く訛同窓会がもう始まっている(諸富千歳)
東の間に背中の翼折りたたみ札幌行きのゲートをくぐる(今野浮儚)
繰り畳ね焼き滅ぼそうにも空ではね。空港バスへ君が乗り込む(松城ゆき)
白鳥座数億年分早送りしているような夜の空(月下桜)
「また来るね、心は隣にあるからね」青い翼が憎らしくなる(森本成美)