小林杖吉が大阪医学校(現大阪大医学部)を退職後、宮ノ前地区に開設した私塾。読書には冬、夜、雨の日の3つの余暇が適しているという意味を込めて「三余学寮」と名付けた。
小林杖吉は子どもたちに英語、数学、地歴、簿記などを教え、その受講料で書籍を購入し、1912年に図書館を併設した。和漢洋の蔵書4万冊を無料で貸し出し、巡回文庫も行ったという。図書館は昭和初期に閉館したが、その蔵書は市へ寄贈され、1951(昭和26)年にできた市立図書館に並んだとされる。
三余学寮と伊丹図書館(入り口の左右に看板がある)
小林杖吉が図書館を作った100年後、伊丹市立図書館ことば蔵が開館した。
小林杖吉の思いを受け継ぎ、「三余学寮」を大人向けの寺子屋として復活させた。元小中学校の校長などが講師となり、もう一度学ぶ楽しさを知ってもらうため定期的に開催している。
古事記の授業をする元中学校長和久一美さん