春の海あしたの分も手をつなぐ(熊田 啓太)
春の海草間彌生に逢ひにゆく(小田 和子)
軍艦もバナナボートも春の海(堺 紀彦)
仕事場に行きたくなくて春の海(今野 浮儚)
魚釣りに父を誘って春の海(小松 房子)
弟はアメリカ生れ春の海(平 きみえ)
靴音のひびく廊下を通りぬけ夜をつまびく鳥を放てり(井口 章)
正解のない問題にいつまでも執着してる靴底のガム(知地 一代)
トアロードかつかつ音を立て上るトオクカラキタヤツトイツシヨニ(堺 紀彦)
停車場へ急ぎふみ往く霜の路省みすれば続く靴跡(東予 稲村)
靴だけは定番がありその他は未定不定の荒野である(渦亀 清鹿)
ブランコの一番遠くから飛ばし西陽のなかに消えた上靴(田中 短歌)
伊丹公論復刊26号1面 (PDFファイル: 644.6KB)
伊丹公論復刊26号2面 (PDFファイル: 559.1KB)
伊丹公論復刊26号3面 (PDFファイル: 659.8KB)