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令和元年度大阪府四條畷市・大阪府枚方市

1.視察出張委員

副議長    山本 恭子     委 員    川井田清香

委員長    北原 速男     委 員    岸田真佐人

副委員長   齊藤 真治     〃    高橋 有子

委 員    久村真知子     〃    土井 秀勝

 〃     篠原 光宏     〃      佐竹 璃保

2.視 察 先  大阪府四條畷市・枚方市
3.実 施 日  令和2年1月27日(月)
4.調査事項   下記報告のとおり

◎1月27日 10:10 ~ 大阪府四條畷市

<議会改革の取り組みについて>

 初めに、四條畷市議会議長より歓迎のあいさつを受けた後、北原委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、四條畷市議会事務局上席主幹から、通年議会、予算・決算審査に係る委員会設置に関すること、議会改革の取り組みについて説明がなされた後、質疑応答がなされ、齊藤副委員長よりお礼のあいさつがなされた。

1 通年議会に関すること
1. 採用を決定した理由
 平成24年地方自治法の改正により、通年会期の規定が盛り込まれたこと、また、議会を活性化させるとともに議会の権能を高めるため、通年会期制が必要であるとされた。
2. 手法
・地方自治法第102条の2第1項を採用
※地方自治法第102条の2第1項の通年会期制を採用している市と地方自治法第102条第2項の定例会を条例で年1回と定めている市の違いは、会期が365日であるかどうかである。
四條畷市は、5月1日から4月30日の会期であるが、地方自治法第102条第2項で定例会を条例で年1回と定めている市は、例えば5月1日から3月31日の会期と、閉会期間を設け、専決処分が可能となる。
・通年会期制の法律の主旨は、逐条解説では市民が本会議の開催日を把握できるよう予見可能性を高めることとされており、久慈市と鳥羽市は逐条解説に基づき定例日を設定していることから、鳥羽市を参考に定例日を設定している。その日以外に開催する会議は臨時会議としている。
3. 専決処分事項の取り扱い
・市長の専決処分事項の指定について、4項目追加。市の裁量の余地のないものに主眼を置いている。
1)解散、欠員等の事由に基づく選挙費に係る歳入歳出予算を補正すること。
2)災害及び突発的な事故により、緊急に必要な歳入歳出予算を補正すること。
3)法令の改正に伴い、条例中に引用する当該法令の題名、条項または字句を改正すること。ただし、市の裁量の余地のないものに限る。
4)会計年度末における地方税に係る法令の改正に伴う必要な条例を改正すること。
4. 一時不再議の取り扱い
・議会期間(従前の会期)を超えた時と事情変更があった時。
※変更の有無は議会運営委員会で決定(全国議長会に確認)
5. 意見書・請願・陳情の締切時期
・請願は1週間前を締切とする。
※通年会期制を採用したことにより、いつでも受付が可能となった。
・意見書は本会議の1週間前としていることから、陳情は本会議の2週間前までに提出いただく。全会一致の議案は定例議会の最終日の前日の本会議で提出。
6. 議員の発言取消・訂正の取り扱い、会議録の確定時期
・議会期間(従前の会期)中であれば、会議規則に基づき可能とする。
7. 当局の対応
・議会期間を超えた期間(従前の閉会中)に補正予算がどんどん出てくるようになり、臨時議会が増えてきている。
8. 採用後のメリット・デメリット
・メリット
1)議会の判断で本会議を随時開くことができ、議会の活動能力が常時法的に担保される。
2)市長への臨時会の招集請求が不要となる。
3)市長の専決処分がなくなる。
・デメリット
1)すべての定例日を条例に規定しなければならないため日程調整が困難。
2)連続した日程が休日を挟んだ場合は連続しなくなる。

2 予算・決算審査に係る委員会設置に関すること
・平成28年度に委員会条例を改正し、議長及び議会選出監査委員を除く議員で構成する予算決算常任委員会としている。
※従前は特別委員会を設置していた。
3 議会改革の取り組みに関すること
1. 議会改革のこれまでの取り組み
・本会議の映像配信を平成30年6月から録画映像の配信、令和元年6月からライブ中継の配信を実施。
2. ICTを活用した議会運営
・令和2年度からペーパーレスを導入する予定である。
3. 議会報告会の現状
・議会基本条例を施行した平成24年から平成26年まで年2回実施していたが、実施しても市民が集まらないことから、平成27年の議会基本条例を見直し、現在は実施していない。


<質疑応答>
(問)補正予算が提出され7日以内に臨時会議を開催するとのことだが、待ってもらうことはできないのか。
(答)地方自治法第102条の2に規定されているが、理事者が待てる案件は次回の議会期間に提出していただく。
(問)通年議会を採用したことで、市議会事務局の事務量は。
(答)実質は変わらないが、最近は臨時議会が多くなっていることから、事務量は増えてきている。
(問)通年議会を採用したことで、市民からの声は。
(答)直接、市民から評価を伺ったことはない。
(問)議会報告会はどのようにすれば興味深くなると思うか。最終的にはどうなるのか。
(答)参加市民も含めて1つのテーマで意見交換できればおもしろくなると思う。最大の目的は、市民の意見を聞くことであることから、市民意見を伺い今後の議会運営に反映させていくということになる。
(問)定例会期制の時と比較し、本会議の日程を事前に市民に周知することで傍聴者数は増えたか。
(答)市長の所信表明などの時は多いが、それ以外はあまり傍聴されない。
(問)投票率が伊丹市よりも高いが、市民との距離を近づけるために工夫しているところはあるか。
(答)特に何もしていない。
(問)市長の専決事項の決定方法は。
(答)市長の専決事項の内容については、通年会期制による日程的な縛りがきつくなる弊害を検討し決定した。
(問)議会報告会の実施について見直す時に、できる規定に変更することによる議論はなかったか。
(答)反対される議員もおられた。見直しは出来ないことを出来るようにしようと見直すものと考えるが、最終的にはできる規定となった。
(問)予算決算委員会を特別委員会から常任委員会に変更した理由は。
(答)補正予算は総務建設常任委員会で取り扱っており、補正予算には教育福祉関連の内容もあるが、1つの議案を分割審査できないこと、また、議員数が減少してきており全議員が参加できるようするにために常任委員会とした。
(問)予算決算常任委員会を運営してみてどうか。
(答)十分な審査期間が確保できるようになった。


◎1月27日 13:40 ~ 大阪府枚方市

<議会改革の取り組みについて>

 初めに、枚方市議会議長より歓迎のあいさつを受けた後、北原委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、枚方市議会事務局課長代理から、通年議会、予算・決算審査に係る委員会設置に関すること、議会改革の取り組みについて説明がなされた後、質疑応答がなされた。

1 通年議会に関すること
1. 採用を決定した理由
 平成24年度の議会改革調査特別委員会で議会基本条例策定の際に、議長が直接的に議会を招集できない、災害時に緊急的に開催できない、専決処分の乱発を防ぐ等の理由から、通年議会の導入について検討が始まり、平成24年12月に通年議会等に関する中間報告をした後、理事者側との意見交換等調整しながら、平成27年度から通年議会を採用した。
2. 手法
・地方自治法第102条第2項を採用
※地方自治法の改正よりも先に通年議会の採用について協議を進めていた。
地方自治法第102条の2第1項との違いを見極めた上で、同法第102条第2項による通年議会を採用していない。
・会期の始期は、5月上旬から4月30日とする。
※市議会議員の任期に合わせている。
※4月30日からのGW中は閉会となる。
・会議の種類は、先進市議会の取り組みを参考に、従前の定例会を「定例月議会」、臨時会を「開会議会」「緊急議会」とする。
※過去には、契約議案や大阪北部地震に関する案件を「緊急議会」で審議している。
・休会中も会議を開く体制は整っているが、議員も市議会事務局も常に構えているわけではなく、従前の閉会中と同じ取扱いをしている。
3. 専決処分事項の取り扱い
・地方自治法第179条による専決処分はない。
※従来、専決処分としていた会計年度末における地方税に係る法令の改正に伴 う必要な条例改正は、緊急議会を開く。
※議会が主体的に動くことができるが、大阪北部地震の際には、他市と比較すると、若干遅れをとることがあった。
・地方自治法第180条による専決処分は従来通りとする。
4. 一時不再議の取り扱い
・通年議会を1回と捉えるのではなく定例月議会を1回と捉える。(枚方市議会会議規則第15条)
5. 請願・陳情の締切時期
・請願は定例月議会初日の3日前の正午を締切とする。
・委員会に付託され、委員会で請願者の意見陳述を行い、その後、本会議で委員長報告を行い採決される。
・陳情は要望と同じ扱いとし、議長供覧後、その写しを全議員に配付している。
6. 議員の発言取消、訂正の取り扱い
・議会期間(従前の定例会)中とする。その場合、議会運営委員会で予め意見を伺う。
7. 会議録の策定
・定例月議会ごとに作成している。

2 予算・決算審査に係る委員会設置に関すること
・委員構成は、各会派から所属議員2人につき1人ずつ選出した委員とする。
・審査は、一般会計は総務・文教常任委員会(2日)、厚生・建設環境常任委員会(2日)の所管分野に2区分して質疑。その後、特別会計・企業会計の質疑、全会計一括しての討論・採決(1日)の5日間で行っている。
・会派の発言時間は1人60分としており、4人会派であれば2人選出であるため120分。奇数会派は持ち時間を加算している。5人会派であれば30分加算し150分としている。

3 議会改革の取り組みに関すること
・平成23年度から平成30年度に議会改革調査特別委員会設置
議会基本条例策定の中で、通年議会の採用や議決事件の追加、政策提案の説明要求、反問権の付与等を検討した。

<質疑応答>
(問)通年議会の採用後、緊急議会(従前の臨時会)は増えたか。
(答)予算に関してはあまりない。契約案件はある。
(問)予算決算特別委員会で1人あたり30分の時間制限をされているが、往復か。また、時間制限を設けていることで審議が不十分だという声はあるか。
(答)往復である。また、時間制限については、全議員が1人1人の持ち時間の中でまとめるということを認識している。
(問)委員会での質問内容は当局に通告しているのか。
(答)通告しているいただける議員には協力してもらっている。また、事務局が前日までに内容を把握している。
(問)委員会の進め方は款別か。関連質問はどのように扱っているのか。
(答)事前に12人の委員の質問の順番を決めて行っており、関連質問は認めていない。
(問)予算決算特別委員会の予備日は設けないのか。
(答)紛糾するような案件があれば予備日が必要かもしれないが、今現在特に問題なく運営できている。もし、そのような案件が出れば、新たに特別委員会を設置することになると考える。
(問)通年議会の採用により専決処分ができなくなり、大阪北部地震時にはプレス発表で遅れをとったとのことだが、その遅れは事業着手にまで及ぶことになるのか。
(答)事業着手が遅れたかどうかの把握はできていないが、実際は他市と同じように動けていると思う。
(問)会計年度末における地方税に係る法令の改正に伴う必要な条例改正は、地方議会として議論することがあまりなく、承認機関となることに議論はなかったか。
(答)議会で議論することがないのではないかとの議論はあったが、当時の議会改革調査特別委員会で、「例外は認めるべきではない」とされた。
(問)枚方市議会基本条例第24条にある「さまざまな手法により、市民等の意見を反映させる」とあるが、さまざまな手法とは具体的にどのような手法か。また、第25条で、「請願者からの意見聴取の機会を設けることができる」とされているが、そのメリット・デメリットは。
(答)第24条について、現在のところ何も実行されていない。また、第25条について、メリットは直接、気持ちを伝えられること、デメリットは会議運営上、一定の時間で収めていただきたいが長時間に渡ることがある。
(問)直接、請願者が気持ちを伝えることにより、各委員により具体的に伝わるのか。
(答)請願文書に記載している内容の背景を述べられるため、伝わると考える。
(問)議員間討議は具体的にどのようにされているのか。
(答)本市議会で正式に導入しているのは委員会での審査である。質疑終了後、委員間討議の時間を設ける。委員間討議では、理事者に対し質疑を行った内容について、他の議員がその主旨を伺うことはあるが、あまり実例がなく活発には行われていない。
(問)委員間討議により、合意に至るのか。
(答)合意形成を図るために実施しているというより、お互いの議論をぶつけ合っており、討論の前裁きとなっていると思う。
(問)6月と12月は一般質問、3月は代表質問されているが、通年議会採用後に導入したのか。代表質問の時は、他の議員は一般質問をされるのか。
(答)通年議会を採用する以前からの運用である。また、代表質問のある3月に一般質問はない。
(問)1人でも会派を構成できるのか。
(答)2名以下は会の名前を名乗ることができるだけで、会派として認めていない。
(問)会派に属さない議員は、予算決算委員会でどの所管分野に属しているのか。
(答)本市議会は会派を中心に運営しており、予算決算委員会も会派単位で行っているため、委員会に入ることはできない。
(問)反問権は質問の主旨を確認するために行うとあるが、これまでに付与されたことはあるか。
(答)実例はない。

 

以 上

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