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令和5年度山形県天童市・山形県東根市

1.視察出張委員

  委員長       杉        一     副委員長      篠原 光宏

  委    員      保田 憲司      委       員      齊藤 真治

      〃          大津留 求           〃           川井田清香

      〃          服部 好廣           〃           永松 敏彦

      〃          土井 秀勝           〃           大江 広人

  議    長      戸田 龍起      副  議  長     竹村 和人

2.視 察 先 山形県天童市・山形県東根市

3.実 施 日 令和5年11月7日(火曜日)~8日(水曜日)

4.調査事項 下記報告のとおり

 

◎11月7日 15:00~ 山形県天童市

<議会運営・議会改革について>

   初めに、天童市議会事務局長より歓迎のあいさつを受けた後、杉委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、天童市議会事務局の担当者から説明を受け、質疑応答がなされた。最後に、篠原副委員長よりお礼のあいさつがなされたのち、議場見学を実施した。

<説明の概要>
(1)議会運営について
   現在の議員定数は21名で、平均年齢は61.52歳である。
   平成19年9月の改選期において、議員定数が26名から22名に削減された。その際に、常任委員会数を4から3に削減するとともに、予算・決算特別委員会について分科会方式で実施していたものを全体審査方式に改めた。
   加えて、所属する常任委員会の所管事項以外の議案についても質疑を行うことができる「総括質疑」についても、原則行わないこととした。総括質疑については、申し合わせ事項において例外的に実施できるものとして存在しているが、実際には行われていない。

(2)議会改革について
   平成24年に議会改革特別委員会を設置し、平成26年に天童市議会基本条例を制定した。議会改革の取組として、これまでに議会報告会や意見交換会の実施、正副議長選挙における立候補制の導入、タブレットの導入、オンライン会議の実施などを行ってきた。
   加えて、令和元年9月の市議会議員選挙では、告示日直前まで無投票となる可能性が懸念される状況となり、議員のなり手不足等の課題が浮き彫りとなったことから、議員定数及び議員報酬の在り方を改めて検討すべきと考え、令和2年12月に、議員定数・議員報酬検討特別委員会を設置し、アンケートや議会報告会・意見交換会などで市民の意見を伺いながら協議を重ねた結果、次期市議会議員選挙から、議員の定数を22名から1名削減し21名、また、議員報酬については2万7000円増額することを決定した。
   令和5年の改選では、21名の定数に対し22名が立候補し、選挙が行われた。投票率は50.81%であったが、これまでの最低となった。

(3)議会報告会・意見交換会について
   天童市議会基本条例及び同施行規定に基づいて、議会報告会や意見交換会を実施している。
   議会報告会については、平成24年から計19回開催し、小学校単位や中学校単位などで実施しており、定例会や臨時会の開催状況・審議内容、各委員会の開催状況、常任委員会行政視察の内容などを報告している。
   意見交換会については、地域の課題やテーマを決めてそれに沿った内容で意見交換を実施している。令和5年に実施した意見交換会では、議会活動の報告のほか、小グループに分かれて「天童市の未来について」をテーマに、ワールドカフェ方式のワークショップを採用した。
   議会報告会・意見交換会の運営は、議長を除いた全議員が参加し、議員自らで会場の予約や準備、進行、報告書の作成などを行っている。現状の課題としては、参加者(特に女性や若者)が少なく、また、参加者が固定化されていることなどが挙げられる。

<質疑応答>
(問)議員定数を1名削減し、一方で議員報酬を増額したということだが、全体として経費は増加したのか。
(答)結果的に経費は増加した。

(問)議員報酬を増額することが、市民にどのようなメリットをもたらすのかという点について、市民にどのように説明したのか。
(答)議員のなり手不足があることや、議員に若い人が少ないことなどを説明した。また、現在お勤めになっている方が、今の仕事を辞めてでも議員になりたいと思えるようにしたいということも説明した。

(問)議員報酬が増額することにより市民に還元される利益について、議会での議論はあったのか。
(答)議員報酬が増額された分だけ議員としての仕事をすれば、報酬の増額はやむを得ないという議論があった。他方で、議員報酬を増額するのであれば議員定数の削減は行うべきであるという結論になった。

(問)議員報酬の他にも政務活動費などが支払われているが、今の議員報酬では、若い人は生活が厳しいのか。今回、増額したことにより若い人でも生活ができるだけの報酬となったと考えているのか。
(答)議員のなり手を促すには、議員報酬を市職員の課長・部長クラスの給与と同じ程度まで引き上げる必要があるというのが、議員定数・議員報酬検討特別委員会の結論である。
政務活動費については、会派(無会派の場合は議員本人)に対し、所属議員1人あたり年額15万6000円(月額1万3000円)を年度当初に交付している。

(問)今回の改選で無会派が増えたと伺ったが、要因は。
(答)7名が無会派となった。小学校区の代表のような形で立候補されてきた方がこれまでは多かったが、今回で勇退された方がいた。他方で、政党に属している方からの立候補者が増えた。この結果、無会派の方が多くなったことに影響していると推測している。なお、議長は会派に属さないことになっていることから、この7名には議長も含まれている。

(問)今年の市議会議員選挙の投票率が50.81%で、前回より5%ほど減少しているが、投票率の減少につながる要因があったのか。
(答)これまでの議員のうち、地区・地域の代表だった方が勇退し、後継者がいなかった地区については投票率がかなり減少した。その影響があると考えている。

(問)地域の身近な方を、心情的な面も含めて推すという形が崩れてくると投票率に影響するという理解でよいか。
(答)その通りである。

(問)天童市の世帯数が増加しているが、その要因は。また、投票率との相関関係はあるか。
(答)世帯分離が進んだことが考えられる。若い方が結婚されて、中心部に住まわれることで、中心部の世帯数は増加しているが、一方で中心部より離れた地域や集落では減少している。若い人が増加したことが投票率に影響しているかもしれない

(問)議員報酬の増額について実施されたパブリックコメントで意見はあったのか。
(答)2名から意見が出された。意見交換会などでは報酬を増額すべきでないという意見もあった。

(問)市民が議会に要望したものが実現すれば、選挙などに参画してくれる人も増えると思う。議員定数の削減や議員報酬の増額について、市民と簡単な形でも意見を共有するような場はあったのか。
(答)なかった。

(問)予算・決算特別委員会の全体審査では、会派ごとの人数に応じた持ち時間の中で質疑を行われているが、この制度は、以前からあったのか、それとも、議員定数を削減していく中で決めたのか。
(答)平成19年に議員定数を26名から22名に削減した際に導入すること決定した。その際に、予算・決算特別委員会を分科会方式から全体審査方式に改めた。

(問)予算・決算特別委員会の期間は。
(答)令和5年度3月の予算審査では4日間である。

(問)平成19年に議員定数を26名から22名に4名削減した理由は。
(答)理由は不明であるが、様々な議会改革の取組を始めた頃だと推測している。

(問)意見交換会においては、地域の課題について意見交換をしているとの説明があったが、市民からの意見としては、どのような課題が上がってくるのか。
(答)議会報告会・意見交換会の目指しているところは、市民と議会とが市全体の課題について意見交換をすることであるが、市民の方が要望を行う場になっている側面もある。新駅の誘致や、サッカースタジアムを建設する際などには、かなりの参加者数となった。

(問)中高生との意見交換会とはどのようなイメージか。また、どのような意見が出るのか。
(答)議員が各学校に行って意見交換を行っている。各学校から代表者を出してもらい参加してもらっている。出された意見としては、通学路の明るさに関すること、除雪や防災に関すること、将棋を活かした市のPRなどである。

(問)ワールドカフェ方式の意見交換とはどのようなものか。また、いつ実施したのか。
(答) 2023年の1月に「天童市の未来について」をテーマに意見交換を行った。ワールドカフェ方式とはワークショップの方式の1つであり、議員も参加者と同じ輪の中に入って意見交換を行った。

(問)意見交換会などの取組を積極的に行っているにもかかわらず、市民の市議会への関心は低いのか。
(答)ワールドカフェ方式の意見交換会の際も参加者は少なかった。

(問)意見交換会で伺った意見や要望のうち、実現したものはあるのか。
(答)あると思う。議員は、各地域の意見交換会で出されたものを執行部に進言して、その結果を地域の方々にまとめてフィードバックしている。

(問) 中高生との意見交換会の実施について、子ども向けの広報はどのようにしているのか。また、参加者数は。
(答)学校に広報を依頼しており、その方法は学校にお任せしている。参加者数は10~15名である。

(問)今後も、中高生との意見交換会を実施していく予定なのか。
(答)その予定である。

(問)本会議のインターネット中継を行われているが、市民の関心や費用対効果についての見解は。
(答)実際の閲覧者数は把握していない。一方で「画質が悪い」といったような意見が届くこともあり、「中継を見てもらえているのかな」とも思っている。今後YouTubeへの移行も検討したい。また、情報発信として市で取り組むことを検討しているインスタグラムを用いて議会も情報発信していくことも今後検討していきたい。

(問)議会だよりを拝見したが、とても素敵なものと感じた。広報委員会で作られている議会だよりは、とても市民に身近に感じられるようなものになっていると思うが。
(答)議会改革の取組の一つであり、昨年度リニューアルした。議会だよりの編集についても議員が積極的に参画している。

(問)意見交換会について、議員の立場と議会としての立場は異なるはずだが、議員個人の意見を述べる議員はこれまでにいなかったのか。また、議会としての発言の方法についての議論はあったのか。
(答)過去にはいた。こうした課題があることを議員間で共有した。


◎11月8日 10:00~ 山形県東根市

<議会運営・議会改革について>

   初めに、東根市議会副議長より歓迎のあいさつを受けた後、杉委員長よりお礼のあいさつがなされた。続いて、東根市議会の議会運営委員長並びに議会のみらい検討委員長及び副委員長から説明を受け、質疑応答がなされた。最後に、篠原副委員長よりお礼のあいさつがなされたのち、議場見学を実施した。

<説明の概要>
(1)議員間討議(委員間討議)について
   令和3年4月1日施行の東根市議会基本条例では、第4条において「議員間相互間の自由な討議を行い、合意形成に努めること」、第14条において「委員間討議を通して合意形成を図り、政策の立案及び提言等に努める」ことが規定されている。議会基本条例にこうした規定を明記するに至ったのは、令和元年改選後の「議会のみらい検討委員会」において議会改革の一環として、議員間討議(委員間討議)の導入に向けた議論が始まったことに由来する。
   令和元年の常任委員会での試行や、予算特別委員会分科会での実施などを経て、現在は、委員間討議を行いたい議員が、委員会中に自発的に申し出る運用としているが、実際に行われたのは1回である。
   加えて、更なる常任委員会の活性化を図るため、各常任委員会において「常任委員会懇談会」を実施している。これは、各常任委員会で議案書等を活用しながら事前に委員同士で議論し、常任委員会や予算・決算特別委員会分科会で行おうとする質疑を整理することで、審査を充実させることを目指す勉強会である。
 (2)議会改革について
   平成28年に設置された「議会のみらい検討委員会」は、各常任委員会から3名ずつの計9名から構成される。協議内容に全議員の声を反映させるため、各会派・無会派から漏れなく委員になるように調整している。任期は2年間であり、任期ごとに「検討結果報告書」を取りまとめ、議長に提出し、次期体制に積み残しの課題等を引き継いでいる。令和元年の改選後の「議会のみらい検討委員会」には、引き継がれた検討項目として、1所管事務調査を核とした政策提言の立案、2議員間討議の導入、3緊急時安否確認手法の策定、の3項目があった。これを受けて、議会改革の取組として、前述の議員間討議(委員間討議)の導入のほか、行政視察を活かした政策提案の実施やLINE WORKSを利用した緊急時安否連絡方法の策定や災害時等の対応指針の策定などを行ってきた。これらの他、審議の充実のためのICT化としてタブレット端末の導入実施、請願と陳情の在り方の整理など行うとともに、オンライン会議の導入に向けた検討なども開始している。
   加えて、令和3年8月から令和5年7月までの期間で、議会基本条例の検証を行った。検証についての検討結果を取りまとめ、現在の体制に引き継いでいる。今般引き継がれた項目の中では、広聴・広報機能が課題であると認識しており、その充実に向けて今後協議していく予定である。

<質疑応答>
(問)委員間討議において、委員が回答しないなどの不都合はなかったのか。
(答)委員間のやり取りは一度くらいだったと思うが、問題はなかったと記憶している。

(問)委員間討議があまり行われていない要因はどこにあるのか。
(答)委員長の次第書には、質疑が終わった後に委員間討議を行うことにしているが、討議することがないのか、県民性によるものなのかわからないが、実際には行われていない。

(問)委員間討議は、審査中に自身の意見と異なる意見を持つ委員に対して討議を持ちかけるようなイメージか。
(答)イメージとしてはそのようなものであるが、委員間で意見が分かれるというケースがあまりない。そのようなこともあり、常任委員会懇談会という自主的な勉強会を立ち上げた。この勉強会は、提出された議案について委員会前に研究し、委員同士で議論する場であると共に、委員会当日における項目ごとの質疑担当者を決めるような場でもある。なお、この勉強会には市議会事務局は入っていない。

(問)本市では幼児教育施設の統合再編や病院の統合などの施策があり、こうしたものは市民目線でも意見が対立するものであった。こうしたものは、委員間討議になじみやすいと思うが、充実した討議を実施するには、準備する必要があると思う。議会の日程の都合上、委員間討議の準備が難しいといったことはないのか。
(答)議会日程については悩んでいるところであり、十分に準備するための日程を確保できるには至っていない。結論や意見が対立しないものであっても、結論を導くためのアプローチの仕方は異なる場合もあると思う。議員として結論への過程や考え方を議会で述べることは大事であると考えている。事前に常任委員会懇談会などの事前の議論などの実施しており、充実した討論に向けて進んではいると感じている。

(問)委員会において委員間討議も含めて活発な議論をするためには、委員長の采配や促しといった役割も重要となってくると思うが、委員長の役割について議論などはあったのか。
(答) 委員長の力量により委員会の運営方法は変わってくるとは思うが、委員長に対する特別な訓練などは行っていない。

(問)委員間討議の実施にあたり、細かなルールはあるのか。
(答) 細かなルールは定まっていない。もっとも、自由な討議とは言ってもあくまでも委員長の指名により発言することになる。

(問)政策提言を行うこととしているが、どのような方法で行っているのか。
(答) 常任委員会においては、1~2年間の期間で執行部に対して政策提案できるようなテーマを決定し、そのテーマに基づいて行政視察先を決定するようにしている。これまでに3~4回程度、政策提言を行った。

(問)政策形成の過程において、執行部と議会が対立するような場面はあったのか。
(答)同じ政策立案に向けて、執行部と議会が同じ方向を向いて進んでいくための議論はあったが、立場が対立するようなものはなかった。常任委員会ごとの政策提言が委員会活動の柱の一つとなっている。3つの常任委員会があるが、いずれの常任委員会からも政策提言があり、これらを一つの文書にまとめて執行部に対し政策提言を行った。こうした政策提言の活動を含め、常任委員会の動きが市民に見えるようにするにはどうすればよいのか、広報委員会と議会のみらい検討委員会と共同して議論していきたいと考えている。

(問)政策提言・政策立案を常任委員会として行っているとのことだが、具体的にはどのようなことをしているのか。また、ある程度継続的に行っているという理解でよいか。
(答)所管事務調査や執行部への聞き取り、先進事例の調査や視察、市民との意見交換等を経て提言している。これまでに、防災減災対策などについて政策提言した実績がある。 政策提言までに、常任委員会の任期である2年、短いものは1年をかけている。

(問)市に提言したことが翌年度予算に反映されるのか。
(答)反映するかどうかは執行部の判断となるが、決して提言して終わりということではなく、議会での一般質問等を通して確認・追跡をしている。

(問)一般質問で質問する事柄を、常任委員会で長く時間をかけて政策提言をまとめていくイメージか。
(答)その通りである。もっとも、一般質問につなげることが目的でないが、一般質問の場で政策提言した内容についてフォローアップすることはある。

(問)請願と陳情の在り方の整理として、請願に匹敵するような陳情については各常任委員会に諮るとのことだが、陳情であっても採決を行うのか。
(答)請願に匹敵するような内容の陳情については、議会運営委員会での判断を経て、常任委員会に付託することがある。この場合は、請願と同じ手続となり、最終的に採決を行う。

(問)請願に匹敵するようなものとして扱われた陳情の件数は。
(答)1から2件である。陳情というと市民から遠い存在のように思えるが、各地域の代表(区長)が市長に要望したり、議員が地域に入ったりして要望を聞くことなどが定期的に行われているので、陳情の件数はさほどない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                              以 上
 

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