皆様 こんにちは。
伊丹市において、かれこれ司法書士をさせて頂いて14年になりました。
14年の間に、本当にいろいろな依頼者の方と出会わせて頂いてきました。
実務の仕事につかせて頂いて、仕事を頂く度に貴重な経験をさせて頂いてきていると感じます。
依頼者や取引先のお一人のお一人とのご縁に、いろいろな意味で支えて頂いている。
そんな風な気持ちが湧いてくる事が多い、今日この頃です。
今から14年前に、恩人の先生に教えていただいた内容があります。
「伊丹市内で家を亡くなった方の名義で放っておいておられる方って、一体どれぐらいと思う?」
当時の僕は、その答えを聞いてビックリしてしまいました。
「そんなにたくさん放っておいておられる方がいるんですか・・・
」
当時は、ご本人さんがその気になったら、登記の相談にいかれるんだろう・・・
その程度しか思いませんでしたが、
かれこれ司法書士歴が14年も越えてくると、
そのままで置いておくことのデメリットのシーンに
様々出会ってしまいます。
多くは、
問題がこじれた後のご相談です
相続登記、亡くなった方の名義でおいておいても確かに問題はありません。
なぜなら、相続登記をしないといけない「義務」というものは、条文上は存在しないからです。
これはなぜかと固い表現でいいますと、家の名義を変更するという利益を受けるかたは、
自分自身で、相続の登記をして、自分自身の利益(権利)を確保するのは、
あまりに当たり前の事
という前提があるからです。
各自の権利や利益は自分で守りなさい。
だから、相続登記をする事は義務にはしませんよ。
そんな、法務省・法務局の思いが、もしかしたら登記というものに
反映されているのかもしれませんね。
そして、相続登記を放っておくデメリットはどんなものがあるでしょうか・・・?
時々ある具体例を見て行ってみましょう。
事例1
:
家の名義人が亡くなり、その相続人が数名いたが、さらにその一人が亡くなってしまった
回答 :相続の手続きが、少しややこしくなってしまった事はわかるかと思います。
結果として、相続登記の費用や時間、署名捺印を頂く関係者の数が増えてしまいます。
ひいひいじいちゃんの家の名義等の話なんかだと、
相続人が十数名出てこられるケースも少なくありません。
また話が無事まとまればよいのですが、
まとまらない場合は、裁判所で調停や訴訟といった手続きのお世話になる必要が出てきます。
司法書士だけでなく、弁護士先生へのご相談も必要となってくるケースです。
事例2
:
両親の片方が亡くなって名義はそのまま、今度は元気な母親が認知症が出てきた。
回答 :子供さん方が遠方におられて、母親を引き取ることと、自宅の売却をしようとされるようなケース。
事前に、例えば息子さんに名義を変えておけば、話はややこしくなかったでしょうが、
このような場合は、お母様の成年後見人等を家庭裁判所に選任して頂く手続きが必要となります。
そして、不動産の処分には、居住用不動産の売却の家庭裁判所の許可が必要となってきます。
相続の手続き以前に、相続人(お母様)の成年後見等の申立が必要となるケースです。
大幅に時間やコストがかかってしまう事となります。
このような場合は、成年後見申立を家庭裁判所にまずしていく必要があります。
多くは、弁護士や司法書士、社会福祉士といった専門職が選ばれるように思いますが、
権限分掌(役割分担)といって、財産管理は専門職、療養看護(生活の確保)はご身内、という形で
複数の後見人等を選んでいただくケースも個人的には増えています。
そのほうが、きめ細やかなご本人さんの支援に繋がるように思います。
事例3:
自宅には、長男が同居しているが、他に県外の弟が二人いる。
ご両親が生前おっしゃられていた内容(長男に家を渡す)については、
親が生きているときは、兄弟姉妹みな納得していたのだけれども、
いざ親が亡くなった時に、相続持分の金額を清算してほしいと弟が言ってきた。
回答 :この問題は、相続の登記を放っておく問題というよりは、
ご両親がお元気な間に、きちんと下準備をしておかれた方がよかったケースです。
具体的な方法論としては、生前贈与で先に長男に家の名義を移してしまう方法。
或は、遺言書を作成しておく方法。
等がよく使われている方法論になります。
ご年配の世代の方は、そんな準備をする事自体はあまり好ましくない。
とおっしゃる方が多い印象をお受けします。
しかしながら、亡くなられた後の現状をいくつも見させて頂いてきていますと、
元気であるからこそ、後々の争いや不足の種は取っておいたほうがいい。
素直にそのように感じます。
また、ここで痛切に感じますのは、
親 って大切やなぁ・・・という所です。
そこに いる というだけで。
ところが、
その 親 がいざなくなってしまう(重石がなくなってしまう)と、
今までおさまっていた子供たちめいめいの口から、良くも悪くもいろいろな思いや意見が出てくる。
このような状況は、本当によくお見かけいたします。
親 って大事やなぁ・・・昔の若っかた自分に そんなん言ったって あんまし通じないやろなぁ・・・
・・・以上
、いろいろなケースを紹介させて頂きましたが、
不動産の名義変更(登記)が登場するシーンは、
人生の節目節目のシーンがほとんどです。
冠婚葬祭、悲喜こもごも。
どちらにされても、後々までスッキリした手続になられる事を願っています。
ここまでお読みいただいて、有難うございました。
またご相談事があれば、お気軽にご連絡されて事務所にいらっしゃって頂いたらよいかと思います。
家の名義にまつわるご相談があるようでしたら、
早めに相談がきっとよいかもしれませんね。有難うございました。
司法書士 岩城 真之
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